2012年6月10日日曜日

オオタカが棲む東京・なぜ猛禽類が・研究者募集!

いま、東京23区という大都会の森の数か所で、オオタカAccipiter gentilis〔写真〕という典型的なタカが子育てをしています。東京でのオオタカの繁殖は、10年以上前から千代田区の皇居内での営巣が知られていますが、現在はほかの緑地でも見られています。また、同じハイタカ属のツミA.gularisも営巣していて、都市環境下でのタカ類の繁殖という、かつては考えられないような状況になっています。オオタカ・ツミの共通点は、鳥類を主食とする森林性の猛禽類ということで、繁殖期は、オオタカはハト~ムクドリ、ツミはスズメなどをよく捕っているようです。
「猛禽類の生息する環境は、自然度の高い地域」というのが生態学では常識。ならば東京都心部は「自然豊かな場所」といえるかとなると、Yes!とはいいきれないのが実情です。しかし、彼らは周年定着し、子育てもしている現実があり、その理由を説明するのに苦慮しているのが現状です。
西日本の都市で、ハヤブサがビルの屋上などで繁殖していることが知られ、また、東京でも同じハヤブサ科のチョウゲンボウが、鉄橋の穴などで営巣していて、「人工建造物利用」という範疇で、都市鳥としての説明がつきますが、ハイタカ属となると別の切り口が必要と思われます。
都市鳥と猛禽類は、かつては結びつかない関係と思われていましたが、同じような傾向は大阪でも見られているようで、都市鳥としての調査・研究を続けています。興味ある人は研究会へご入会下さい。