2013年10月2日水曜日

名古屋・平針のムクドリのねぐら


秋になると、駅前などの繁華な場所でのムクドリのねぐら問題が浮上し、マスコミからの取材を受けることがよくあります。最近の傾向は、地方都市からの問い合わせが目立ち、その実態を見ずに対応ということが多くなっています。今回、名古屋・名城大学での日本鳥学会大会を機に、昨年10月に電話取材に応じて記事にもなった(朝日新聞・10月29日付)、名古屋市天白区の地下鉄・鶴舞線平針駅付近の状況を見てきました。
9月13日の夕方、午後4時30分から現地に出張り、電線に取り付けられている剣山のようす、路上や街路樹の葉に落ちた糞の状況を観察し、ムクドリ飛来の場所を確認しました。5時20分過ぎから、ビルの屋上のTVアンテナにスズメが50羽ほど集まり、ムクドリが単独で姿を見せだしました。5時43分に30羽・40羽の群れが頭上にあらわれ、6時過ぎには数百羽の群れが飛来し、駅の近くの電線に一斉に止まりだしました〔写真1〕。
飛来数は最終的(夜7時段階)に3000羽~5000羽程度と思われ、一部は街路樹(トウカエデ)に入るものもいましたが、多くは電線に止まったままでした。翌日の夜10時ごろ、同じ場所を観察したところ、前日の状態と同じでしたので、電線で一夜を過ごすと思われます〔写真2〕。なお、この観察の詳しくは、『URBAN BIRDS』に報告予定です。
千葉や埼玉でのねぐら入りとの違いは、上空を旋回するようなことはほとんどなく、一気に電線に飛来するといった状態でした。1回の観察ですので多くはいえませんが、マスコミ情報の確認といった意味で、意義のあった現地視察でした。(川内 博・桂子)

写真1

写真2