2016年1月28日木曜日

都市鳥研究会誌 URBAN BIRDS Vol.32(通巻第73号)が発行されました。

目次
巻頭言●ヒヨドリを数える(大野正男)

論文
●東京駅を中心とした3㎞四方におけるツバメHirundo rusticaの繁殖状況
―第7回 2015年調査結果―
(川内 博、石井秀夫、金子凱彦、唐沢孝一、川内桂子、越川重治、柴田佳秀)
●成田市におけるツバメの繁殖数の大幅な減少(唐沢孝一)
●伊豆諸島新島におけるツバメ(Hirundo rustica)の採餌環境変化
―繁殖期盛期と繁殖期終期の比較―(山川航平)
短報
●人家から離れて繁殖したツバメ(唐沢孝一・水村春香)
●ツバメの庭木や街路樹などで形成される小規模ねぐらについて(越川重治)
●カラス類の親鳥が長期間にわたりヒナ(幼鳥)へ給餌した観察事例について(中村眞樹子)
●人工構造物に集団ねぐらを形成するスズメ(粕谷和夫・渡辺敬明) 
●住宅地に隣接する池で越冬するコガモの月別羽数変動(粕谷和夫、小張義雄、小張昌子)
会記
●本会主催・共催の集会報告
 1.ツミに関するシンポジウム
 2.イソヒヨドリに関する集会
●2015年の発行・発信物・お知らせ 


2016年1月21日木曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・第2報

昨年814日にアップした、「東武東上線沿線のムクドリの駅前集団ねぐら」の続報です。東京・池袋駅から北上し、埼玉県に入って2つ目の急行停車駅、朝霞台駅(JR北朝霞駅との乗換え駅)、3つ目の志木駅、4つ目のふじみ野駅、そして5つ目の川越駅と、現在、急行電車の停車駅前だけで見つかっているムクドリの集団ねぐら。その後のようすをお知らせします。
一般に、関東地方の駅前のムクドリねぐらは、ケヤキ並木に形成することが多く、落葉とともに姿を消し、初冬までにはなくなります。
 東上線沿線では、川越駅前の場合、1129日に立ち寄った際にねぐらがなくなったことに気づきました。川越駅より都心部に近いふじみ野駅は、1127日には4000羽前後がまだ落葉していないケヤキの並木に集まっていて、さらに都心部に近い志木駅前にも500羽前後がねぐらを取っていました。さらに126日にも両駅前にねぐらが残っていましたが、1229日には、志木駅より北に位置するねぐらは全部なくなっていました。しかし、池袋に一番近い朝霞台駅前のねぐらは、落葉後は電線にねぐら場所を移し、3000羽程度が居残っていました〔写真〕。一昨年にも冬中ねぐらがありましたので、今冬もこの状態が続く可能性があり、調査は継続せざるを得ない状態です。
それにしても、「急行停車駅」前の街づくりはさまざまで、共通性があるとは思えません。「乗降客数」が問題であれば、1つ目の急行停車駅の和光市駅が、東上線では池袋駅につぐ多さです。しかし、ここにはムクドリのねぐらはできたことがありません。「ムクドリはなぜ駅前にねぐらをつくるのか」相変わらず“謎”です。      
〔川内 博・桂子〕
 ※ 本調査の範囲は、池袋駅~川越駅まで。ムクドリの数は推定です。 


朝霞台駅のムクドリ塒