2025年9月30日火曜日

“イソヒヨドリの名所”東京・八王子市の近況

八王子市は東京都心から40㎞内陸に位置し、標高は100mの丘陵地。人口約58万人の中核市のこの地が“イソヒヨドリの名所”になったのは2018年ごろからです。JR八王子駅付近を中心に、市内各所でその囀りが聞かれ、営巣が記録されています。それらの状況は八王子・日野カワセミ会の会報『かわせみ』で知ることができます。

今年も9月末にその第75号【表紙写真】が当会に寄贈されました。その4~7ページに「イソヒヨドリ2025年に確認した営巣(前年を下回る)」というタイトルが記され、2025年7月までに確認された営巣数が、前年の56巣より8巣少ない48巣だったとの報が記されていました。同地は2009年より営巣が記録され、右肩上がりで増加していたのが前年を下回ったのは2023年に続いて2度目。

同報告書には「営巣場所が駅周辺の大規模量販店や集合住宅に集中している傾向があったが、最近は駅周辺からの撤退が顕著になってきた」と記されています。その理由として「はっきりしないが、天敵の出現。巣のある建物のオーナーからの追出しなどが」と記されています。また、2022年からは、駅から概ね1㎞以上離れたところで営巣が確認され、その傾向が今後もさらに増える可能性があるとのことです。さらに「同一民家に2巣の営巣」の観察記録なども紹介されています。そのほか、「鳥信」のコーナーには103件のイソヒヨドリの観察記録が5ページに渡って記されています。

会報『かわせみ』にはイソヒヨドリだけでなく、八王子・日野市を中心とした鳥たちの状況が満載され、年に2回発行されています。詳しくは同会のホームページをご覧ください。                   〔都市鳥研究会・事務局〕



2025年9月25日木曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・志木駅の近況

 2015年からアップしている同名のタイトルの近況報告。東京・池袋駅(豊島区)から北方向へ向かう私鉄・東武東上線の川越市駅(埼玉県川越市)までが対象です。その中で志木駅前〔志木市・新座市〕は以前から大規模ねぐらが形成されていて、毎年4,000羽程度を数えています。

今年は9月24日の夕刻に今秋初めて訪れ、スズメ(推定2,000羽)・ムクドリ(推定2,000羽)のねぐら入りを観察しました。スズメは例年と同程度、ムクドリはやや少ない状況でしたが、今後増えると思われます。

ところで、今回の観察では例年と違うことがありました。ムクドリはおもに北西方面から群れで飛んできて、まずはバスの発着所のあるロータリー敷地内にそびえたつケヤキの大木に止まるのですが、昨日その木がないことに気づき、根元からバッサリ切られ、真新しい切り株が駅前デッキの上から確認できました。


昨秋はその木に全数(推定4,000羽)がねぐらをとったこともありました。それがなくなったためか、駅前広場の植え込み一帯はムクドリの鳴声で満ちていて、5台くらい設置されているバードプロテクターの大音響とともに騒然とした状態になっていました。


 

「ムクドリのねぐら対策」はどこも頭の痛い問題ですが、東上線一の“名所”への対策、今後どんな状態になるか11月ごろ詳細のご報告を予定しています。皆さんのフィールドの「駅前ねぐら」の状況をお知らせください。〔都市鳥研究会事務局〕