2025年10月29日水曜日

高知でコムクドリのねぐらを発見

10月1日、高知県高知市へ取材に行ったときのことです。夕方、市の中心部を歩いていると、有名な「はりまや橋」の近くで、同じ方向に飛んでいくムクドリの群れに出会いました。次々と現れる群れの様子から、「これは近くにねぐらがあるな」と直感。すぐに追跡を始めました。 

この2本のクスノキにムクドリが集結

するとほどなく、少し離れた場所のクスノキ並木に、ムクドリたちが次々と集まっていくのを発見。そこがねぐらでした。木の下から観察すると、その数はおそらく千羽以上。鳴き声の大合唱もなかなかの迫力で、ほかの都市のムクドリねぐらと同じように、街の夕暮れをにぎやかにしていました。

白く点々と見えるムクドリ

双眼鏡で詳しく見ていると、群れの中にやけに白っぽい鳥が混じっていることに気づきました。よく見ると、それはコムクドリ。しかも数羽どころではなく、かなりの数がいるようです。コムクドリのねぐらを見るのは初めてだったので驚きと感動の瞬間でした。九州の宮崎には9月になると6万羽のコムクドリのねぐらがあることを昨年の鳥学会の発表で知っていたのですが、まさか四国の高知でも見られるとは思ってもいませんでした。


コムクドリ

翌朝は日の出少し前にねぐらを訪ねました。すると既にクスノキから出ていて、電線にずらっと並んでいるではありませんか。なかなか壮観な光景です。よく見ると、ムクドリとコムクドリは種ごとに集まる傾向がある感じでした。コムクドリはおそらく全体の1~2割、いやもっといるかもしれません。正確な数を知りたいところですが、このときはカウントの準備をしていなかったのでわかりませんでした。その後、鳥たちは数回にわたって群れとなって採食地へと飛び立っていきました。

後日、地元の野鳥に詳しい人に聞いたのですが、このムクドリねぐらにコムクドリが入ってるのは知られていないとのこと。本州で繁殖したコムクドリは、九州を経由してフィリピンなどへ渡ることが分かっていますが、もしかするとその途中で四国にも立ち寄っているのかもしれません。今回の観察は、その可能性を示す貴重な事例となりそうです。今後も注意深く観察を続けていきたいと思います。(柴田佳秀)

早朝、電線に並んでとまる様子

下段のやや小型がコムクドリ

ねぐらにあったハヤブサの模型
あまり効果がない様子でした










2025年10月13日月曜日

第9回・東京都心におけるカラスのねぐら調査の調査員を募集・ご協力 ください

先日、マスコミの関係者から「駅前のムクドリが増えているのは地球温暖化のせいですか?」と聞かれましたが、「それは誰も調べていないのではっきりわかりません」と答えるとその方は期待外れの答えだったので少しがっかりしていました。鳥の個体数が増えた、減ったというのはしっかりした科学的な裏付けがないとはっきりした答えは出せないことを説明しました。

それでは「東京都心のカラスの数は増えていますか減っていますか?」という質問であれば、即座に「減っています」と答えることができます。2021年の就塒個体数は2000年の約15%に減少していることがわかっています。都市鳥研究会では、1985 年より5 年ごとに都心部3か所のカラスのねぐらに入る個体数調査を同じ場所、同じ季節、同じ方法で35年にもわたり調査してきました。長期にわたる鳥類の個体数調査は、たいへん貴重な財産であり、今後の都市鳥研究にも生かされるものと思います。

東京という大都市にこれだけのカラスが生活している場所は、世界的にも稀でここの調査が35年も続いていることも他に類のない調査だと思います。カラスの個体数は下のグラフのような変化を見せていますが、今年はさらに減少しているのか増加に転じるのか、調査員になって解明してみませんか。

カラス調査は誰でもできます。調査地に出入りするカラスをカウントする簡単な作業です。ベテラン調査員と一緒に調査に参加しませんか。いろいろな鳥の情報等の話も聞けるチャンスです。調査の詳細は以下の通りです。(越川重治)

調査日:2025年12月13日(土) 雨天中止、12月14日(日)を予備日とします。

調査地: 「明治神宮」・「豊島岡墓地」の2か所・集合は午後3時

参加はボランティアでお願いします〔保険を付けます〕。

参加者のお名前は研究会誌に掲載させていただきます。

参加者には調査結果の報告書(PDFファイル)をお送りいたします。

【参加申し込み】メールで当会宛にお願いします。

  1.申し込み先:E-mail:hkawachi2dream@yahoo.co.jp〔都市鳥研究会〕

  2.ご氏名・連絡用電話番号・メールアドレス・・・・の記載をお願いします。

  3.申し込み締め切りは11月9日です。