2023年6月15日木曜日

身近な場所で採餌するイソヒヨドリ

当会は「内陸部に進出するイソヒヨドリ」の生態とその進出の理由を調べていますが、なかなか明確な説明ができないのが実情です。その理由のひとつはその姿を見かける場所と食べ物があまりにも“ふつう”で、“こんな環境ならどこにでもあるのでは”・“そんな餌で育つならどこででも得られるのでは”ということです。  

東京・墨田区は、荒川と隅田川に挟まれた下町で、昔から緑の少ない地域です。JR総武線・錦糸町駅のすぐそばで、スカイツリーが間近に見える「区立錦糸公園」は、300m×200m程度の四角い園内に、幼児たちの遊具や芝生の広場、野球場・テニスコート・総合体育館などが組み込まれていて、休日には、子供連れや若者のグループ、お年寄たちでいっぱいです。

その北面には道路を隔ててショッピングモール【写真・上】が建ち並び、昨年・今年と繁殖期にその屋上でイソヒヨドリ夫婦を確認しました。そしてこの5月には、観察している足元の下草のなかで採餌する雄の姿を目にしました【写真・下】。屋上には雌の姿や声が確認でき、その様子からヒナが誕生していると思われました。

街なかで、この鳥のようすを見ていつも思うことは、それは“どこにでもある街なかの環境で、その餌は身近な小動物や果実だ”ということです。この鳥が日本では古くから「岩礁地帯にへばりついて」生きてきたということを知っているためか、内陸部に進出している実態を見ると、その変貌にはまだ腑に落ちない気持ちがわいてきます。〔都市鳥研究会・川内〕