2018年11月28日水曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・第5報

本題と同じくタイトルの第4報は昨年8月6日付でアップしています。今回は2018年のようすをお伝えします。対象駅は池袋を起点として北上する東武東上線の急行停車駅の和光市・朝霞台・志木・ふじみ野・川越で、必要に応じてその間の駅前の状況も調べています。おおまかにはこれまでの報告と同じですが、今年は次のような動きが見られました。
  朝霞台駅とJR北朝霞駅とは互いの乗換え駅で、ほぼ同じ場所にあります。その一帯には例年秋遅くまで4000羽程度がねぐらをとっていますが、9月17日の調査時に訪れたときは1羽もいませんでした。その少し前に鷹なども使った追い出しが行われたとのことです。
  どこへ移動したのか調べたところ、9月24日にひとつ隣で急行が止まらない朝霞駅近くの高圧線鉄塔〔写真1〕と団地の大ケヤキに、数千羽がねぐらをとっているのを見つけました。朝霞駅前は昨年も一時期ねぐらを作り、強剪定で追われたところです。
  今年はどうなるか見ていましたが、10月1日には鉄塔から姿を消し、10月9日からは団地からもいなくなりました。とくに追い立てはなかったようです。朝霞台駅前には戻っていませんでしたので、少し早いいずこへかの旅立ちだったのかもしれません。もっとも11月27日には北朝霞駅ホーム上の電線に200羽程度が止まっていました〔写真2〕。この群れは別に新たに来たのではと考えています。この群れは昨年と同じように越冬すると思われます。
  もうひとつ昨年と少し違う動きがあったのはふじみ野駅で、これまで駅の西側しかねぐらをとらなかったのが、11月1日に訪れたときは東口に移っていました。その原因については不明ですが、11月27日には、駅一帯にはムクドリはいなくなっていました。ここも旅立ったと思われます。
今秋も全国的な“ムクドリ騒動”は続いていて、群馬の前橋、四国の高松、東北の福島などのマスコミから都市鳥研究会に問合せがありました。パターンはいずこも同じで、なかなか解決の糸口がなく悩ましい問題です。(川内 博)

写真1:越冬群れが見られる朝霞台・北朝霞駅付近

写真2:朝霞駅近くの高圧線鉄塔ねぐら