2021年12月31日金曜日

『都市鳥ニュース No.31』を発行します

  年2回発行しています都市鳥研究会の広報誌『都市鳥ニュース No.31』を発行します。

今回は、前号に引き続いて「特集・首都圏のイソヒヨドリの今・2」として、埼玉県全域と東京都全域および区部(東京23区)【図】の状況を地図化して掲載します。とともに、それらの地域の「繁殖状況」を中心に紹介してあります。いずれの地区もまだ調査が十分でない感がありますが、相当な範囲に生息分布は広がっていることがわかります。

  そこで、今後の調査の力点を「営巣・繁殖」に置きたいと思っています。その参考となるものを誌面のトップで紹介しました。「奈良県吉野町におけるイソヒヨドリの繁殖観察日記」というタイトルで2019年の観察。繁殖生態の興味ある写真が多数掲載されています。とくにほとんど見ることができない抱卵中の姿や巣内ヒナのようすなどを知ることができます。また、同じ場所で複数回繁殖する際の状況など、さらにそれらが日記となって記されていますのでその経過を知ることもでき参考になります。〔都市鳥研究会・事務局〕




2021年12月18日土曜日

調査結果の速報~都心のカラスの個体数調査(2021年)

2021年12月12日に実施した第8回都心におけるカラスの個体数調査(2021年)の速報値をお知らせします。

都心3カ所の集団塒のカラスの羽数

自然教育園24羽、明治神宮1576羽、豊島ケ岡墓地1180羽、計2780羽

〇6年前の2015年の合計4816羽に比べ2036羽の減少。減少率は42.3%でした。

〇ピーク時(2000年)の18658羽に比べ85%の減少となりました。

〇特に自然教育園での減少が著しく、2015年の848羽から24羽へと激減。減少率は96.6%でした。

ただし、上記の数値は12月16日現在の暫定的な速報値です。現在、減少要因の分析や今後の課題なども含めて報告書としてまとめているところです。詳細は2022年発行予定の会誌『URBAN BIRDS』に掲載しますのでご覧ください。(文責 唐沢孝一・越川重治・金子凱彦)




2021年12月14日火曜日

速報・第8回東京都心3か所のカラス塒調査終わる

   折からのコロナ禍のなか、その実施を延期していた「第8回 都心におけるカラスの集団塒の個体数調査」を、1年遅れで、12日(日)の午後~夕方にかけて、東京都内3か所で予定通りに実施いたしました。本調査は、都市鳥研究会のメイン研究のひとつで、都内に増えてきていたカラス(おもにハシブトガラス)の個体数とその変化を知るために、明治神宮(渋谷区)・自然教育園(港区)・豊島ヶ岡墓地(文京区)の3か所で塒(ねぐら)に集まるカラスの数を調べているもので、1985年12月の第1回以来、5年ごとに実施し、今回は8回目で35年間のロング調査となっています。  

  調査員は全員、交通費を含めてボランティアでの活動。その一つの豊島ヶ岡墓地では、隣接する護国寺前に集合し、調査個所10地点・それぞれに調査員が配置され、午後1時過ぎ~5時までの約4時間、分担の方向を見続けて、カラスの出入りを観察しました。【写真・調査説明を聞く調査員たち】 10地点での合計は速報値で1,180羽。前回2015年は1,607羽でしたので、26.6%減という結果でした。

  幸いなことに、当日は好天無風で、冬とは思えない暖かさでした。調査にご協力いただきました54名の皆様にお礼を申し上げます。  

  東京都内のカラスは2000年をピークに年々減少していますが、今回の3か所全体の結果は、当会会誌の『URBAN BIRDS Vol.38』で発表予定です。その際には、詳細をこのブログでも紹介します。〔都市鳥研究会・事務局〕