2018年7月18日水曜日

なぜイソヒヨドリが内陸部へ・・・日本鳥学会大会で第2弾を発表予定

  “イソヒヨドリを見たければ八王子に行け!”が、東京あたりのバードウオッチャーの合言葉です。イソヒヨドリは磯の鳥。しかし「八王子市」は、東京湾から約40㎞はなれた、海抜100m前後の多摩丘陵に広がる人口約58万人の中核市。JR八王子駅・京王八王子駅一帯は、高層ビルが建ちならび、商店街や事務所が連なった市街地。そんな街にイソヒヨドリが繁殖期に姿を現したのは1994(平成6)年のこと。2009年には繁殖も記録され、最近は年を追うごとに営巣場所が増え、繁殖地も隣接する市に広がっています。〔グラフ〕
  今秋9月に新潟市で開かれる日本鳥学会大会には、この内陸部に進出しているイソヒヨドリにスポットをあて、第2弾となるポスター発表をし、自由集会を開く予定です。
  7月10日、その下準備に、今年発見された営巣地を中心に、当地で調査・研究を進められている粕谷和夫・福本順吉両氏の案内で、市内各地を回りました。
  夏空のもと、緑が映える高尾駅近くの住宅地の屋根で、ヒーヒーと鳴くイソヒヨドリの雌を発見。嘴には大きなクモをくわえていました〔写真〕。近くのマンションに巣があるようで、3人で観察していても動かないで鳴き続けていました。場所は、車が行きかう幹線道路沿い。“磯”とはまったく異なる環境です。似たような場所はどこにでもあるような環境ですが、東京都内では、八王子一帯でしか見られない現象です。
  “なぜ八王子なの?”今のところ明快な答えは出ていません。〔川内 博〕