2019年12月15日日曜日

講演会「東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情」興味深 い内容満載でぶじ終了しました

 都市鳥研究会・バードリサーチ・日本野鳥の会東京という東京圏の3つの団体共催で開かた講演会「東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情」は12月1日(日)に、54名の参加のもとにぶじ終了しました。3つの講演はそれぞれに特徴があり、興味深いものでした。バードリサーチからは、現在進行中の「東京都鳥類繁殖分布調査」について、日本野鳥の会東京からは、昨年完成した同会が実施している10か所の月例探鳥会のデータをもとにした「オオタカの都心部への進出」、そして当会からは、「イソヒヨドリの内陸部生息拡大」についてと、三者三様の切り口で、“東京の野鳥たちの今”が語られました。
 
  「東京都鳥類繁殖分布調査」は、同時進行中の全国鳥類繁殖分布調査と同じように20年ごとに実施されている野鳥の“住民調査”。増えている鳥・減っている鳥が一目瞭然のメッシュ地図として披露されました。来年2020年が調査最終年。皆さんで協力して「完成」の祝杯をあげたいところです。

 「オオタカの都心部への進出」は、1995年度~2014年度までの20年間でのデータをもとに、オオタカがどのような経緯で都心部まで進出してきたかを科学的に分析したもので、「林縁長」という聞きなれない要素との相関関係が指摘されました。

 「イソヒヨドリの内陸部生息拡大」は当会が力を入れている問題で、今回は東京の状況についての報告でした【図 東京都におけるイソヒヨドリの繁殖期分布の変遷図・バードリサーチ提供】。その中で、現在、都内では八王子市一帯がそのおもな生息地として知られていますが、JR中央線沿線上に広がっているのではということで、武蔵境駅周辺での状況がくわしく語られました。

  各講演は40分という短い時間でしたが、午前11時からの2時間で、最近の東京の鳥のようすの一端を知ることができる貴重な内容でした。
  これからも、この会場〔東京・阿佐ヶ谷〕で、野鳥や都市鳥の生態に興味ある方の集まりを続けていきたいと思っています。末尾ながら講師の方々と会場のご提供をいただいた(株)細田工務店様に感謝いたします。


2019年11月25日月曜日

“銀座のイソヒヨドリ”は?・・・12月1日開催の講演会によせて

  この夏・秋に放映されたNHK総合テレビの生きもの番組「ダーウィンが来た」で、“銀座のツバメ”が2回登場しました。1回目は8月18日放送の「東京いきもの調査隊・春編」、2回目は11月10日放送の「東京いきもの調査隊・秋だけど夏編」のなか。共通話題は「ツバメとミツバチ」の関係でした。主役のツバメの子育ての場所は老舗デパート・銀座松屋の裏の建物。ミツバチの養蜂場はその近くのビルの屋上。
  今回の撮影中に、銀座地区で新しい巣が2か所見つかりました。番組ではツバメの繁殖が増えたのはビルの屋上に「養蜂場」があり、獲物が増えたからではなかと推測していて、実際ツバメがハチを捕らえるシーンが映されていました。2回目の登場は、その番組を視た視聴者から“ハチをヒナに与えて刺されないの?”という疑問に答えたもので、調べてみたらツバメが捕っていたハチは「毒針を持たない雄ばかり」という興味深い話でした。
  来春、この地で当会は5年ごとに行っているツバメの8回目の繁殖調査を実施します。右肩下がりだった銀座地区のツバメの巣の数が上向きに転じるのか今から楽しみです。

  ところで、この番組に関係した会員の金子凱彦さんから、銀座の屋上養蜂場にイソヒヨドリが来ているという情報が入りました。今月その養蜂場を訪ね、状況をお聞きし、現場を見せてもらいました【写真・養蜂場のある銀座ビル街】。 今後“銀座のイソヒヨドリ”という新しい展開が開けるか、これも楽しみです。
  来る12月1日(日)に、当会や日本野鳥の会東京、バードリサーチの共催で「東京の鳥の現状」を伝える講演会が開かれ、イソヒヨドリの話も登場します。詳しくは、前月の当ブログをごらんください。


2019年11月17日日曜日

講演会のご案内 12月1日(日)  東京・杉並

東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情

最近、東京の鳥相が変わったと思いませんか? 明治神宮の杜ではコゲラがドラミングし、エナガが群れ飛び、オオタカが舞う。また、小さな公園では以前はその影すらなかったツミが子育てをする。さらに“磯の鳥”イソヒヨドリがビルの屋上で囀る!【写真】そんな東京をだれが想像していたでしょうか。

  都市鳥研究会・バードリサーチ・日本野鳥の会東京の共催で、そんな東京の鳥の実態をご紹介します。
 
(1)こんなに変わった東京の鳥たち・・・東京都鳥類繁殖分布調査から
                                                                  佐藤 望氏(バードリサーチ)
(2)イソヒヨドリが東京の街にやって来た   鈴木遼太郎氏(都市鳥研究会)
(3)オオタカの東京都心部への進出状況  水村春香氏(日本野鳥の会東京)

  日 時:2019年12月1日(日)10時30分開場 11時~13時
  会 場:東京・杉並・細田工務店2階会議室 【地図参照】 先着100名

【会場案内】
    細田工務店[杉並区阿佐谷南3-35-21]

【交 通】JR中央線「阿佐ヶ谷駅」下車徒歩3分、
    東京メトロ丸の内線「南阿佐ヶ谷駅」下車徒歩7分

【入場無料・申し込み不要】

イソヒヨドリ



2019年10月29日火曜日

最近の野鳥事情・12月1日・講演会のご案内

12月1日(日)11時~13時に「東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情」という講演会が、日本野鳥の会東京・バードリサーチ・都市鳥研究会の共催で開かれます。

講演は
1.こんなに変わった野鳥東京の鳥たち・・・東京都鳥類繁殖分布調査から(バードリサーチ・佐藤 望氏)
2.イソヒヨドリが東京の街にやって来た(都市鳥研究会・ 鈴木遼太郎氏)
3.オオタカの東京都心部への進出状況(日本野鳥の会東京・水村春香氏)で
それぞれ最新の調査・研究内容が発表されます。
会場は東京・杉並・細田工務店の2階会議室【地図参照】開場は10時30分から。
 
 同じ会場で、午後からは「野鳥写真の楽しさ」〔13時~16時〕の講演が予定されています。また、同店1階のショールームでは写真展「美しい野鳥の世界」(11月29日~12月5日)も開催されています。入場無料・事前申し込み不要

【交 通】JR中央線「阿佐ヶ谷駅」下車徒歩3分、東京メトロ丸の内線「南阿佐
ヶ谷駅」下車徒歩7分〔住所:東京都杉並区阿佐谷南3-35-21〕

添付地図

2019年9月28日土曜日

SNSで呼びかけ集めた内陸イソヒヨドリ情報をポスター発表しました。~日本鳥学会2019年度大会・報告 2~

 いま、時代はSNS(Social Networking Service)。最新情報はSNSを活用するのが主流です。とくにTwitterは、多くの人が閲覧するので、情報を呼びかけ集めるのにとても向いているSNSです。そんなTwitterで「イソヒヨドリがどのくらい内陸にいるか呼びかけたらいいのでは」と考え、早速つぶやいてみました。
 
 すると、すぐに全国のあちこちから「いました」、「います」という返事が送られてきました。3繁殖シーズン、7回の呼びかけでなんと569件もの情報が集まったのです。その結果を9月13日から行われた日本鳥学会2019年大会でポスター発表してきました。

 この発表でいちばん多く見られた反応が、“SNSってすごい”でした。もし、同じような調査をマスコミで呼びかけるなどの従来の方法でやるとしたら、とんでもない労力と資金が必要です。さらに時間もかかります。しかし、SNSならばいとも簡単にできてしまうことに皆さん感嘆しきりでした。「時代は変わったねえ」の感想を漏らす方もいらっしゃいました。
 アマチュアの研究は時間も資金もありません。でも、新しい技術を積極的に取り入れれば新たな展開も可能になることを示せたのではないかと思います。(柴田佳秀)

寄せられた情報を地図に示す。全国的に内陸進出が進んでいる


掲示されたポスター


 



2019年9月21日土曜日

100人集まった「イソヒヨドリ・自由集会」 ~日本鳥学会2019年度大会・報告1~

 日本鳥学会の会員数は1200名。今回その年次大会に900人以上の参加者があったとのことです。それを反映してか、大会初日、9月13日午後3時30分~5時30分の都市鳥研究会主催の自由集会「イソヒヨドリの繁殖地拡大を考える・Ⅱ」(川内 博・柴田佳秀・越川重治・橋本啓史)には、最終的に会場いっぱいの100名の参加者がありました。
  プログラム前半は話題提供を各10分。1.SNSを使った全国調査の結果(柴田佳秀氏)【写真】、2.東京・武蔵境での観察( 鈴木遼太郎氏)、3.中部地方の分布状況(新實 豊氏)、4.“なぜ”をコンセプトに新展開(川内 博氏)の4題。質疑応答のあと、後半は、自由討論ということで“なぜ内陸部に生息地を拡大したのか?”ということを軸に、参加者からお考えや情報をお聞きしました。驚いたことに、フロアーからは次々に手が挙がり、時間いっぱいまで発言は途切れませんでした。それだけ、皆さんが身近にイソヒヨドリを見ていて、興味を持っていたと思われます。
  話題提供では、日本野鳥の会中部ブロックの調査結果を、愛知県支部支部長の新實 豊氏から報告いただけ、内容が充実しました。感謝いたします。


2019年8月18日日曜日

イソヒヨドリの内陸部進出調査・首都圏からはじめます

イソヒヨドリが内陸部に進出している現象を全国規模で追っていますが、その状況調査をまず、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・山梨県の首都圏からはじめます。
イソヒヨドリを街のなかや、海辺から遠く離れた場所で出会うことが多くなっています。
状況については、これまで概況を発表してきましたが、綿密な調査は行っていませんでした。
そこで、この8月から、個々の観察データや文献などを集積して、その実態を明らかにして、この現象の原因や理由を追求していきたいと思います。ぜひご協力ください。

依頼・連絡・途中での情報公開などは、基本的にパソコンメールで行いますので、PC環境をお持ちの方で、ご協力いただける方は、下記のアドレスにご連絡ください。また、文献などの情報も集めています。下記の住所に郵送などでご連絡ください。

メールアドレス:hkawachi2dream@yahoo.co.jp
住所:〒351-0114 和光市本町31-16-901 都市鳥研究会
電話・Fax:048-462-7141〔電話での場合は、まず「イソヒヨドリの件で」とお話しください〕


2019年7月22日月曜日

ついに事務局がある街でもイソヒヨドリが繁殖・埼玉県和光市での初 記録

  次々と内陸部での生息・繁殖が記録されているイソヒヨドリ(Monticola
solitarium)の巣立ちビナを、6月30日夕刻に、東京湾から約25km内陸に入った埼玉県和光市の駅近くのイトーヨーカドーの4階駐車場で発見しました。初めてのことです。
  「イソヒヨドリの内陸部進出」現象は、当会が全国展開している調査です。事務局のある我が家を“表敬訪問” (?)したのは5年前のこと。そのようすは、当ブログの2014年8月6日付でアップしています。
  当市での観察は今回で7例目。ヨーカドー付近で見かけたのは昨年2回、今年は3月22日・5月20日に次いでのこと。「巣立ち」にしてはやや早いと思われるヒナでしたが、4階から通りを隔てた向かい側の1階屋上に飛び移っていました【写真1】。近くでは、雌親が暗闇のなか警戒声を発しながら飛びまわっていました【写真2】。

  「イソヒヨドリの内陸部進出」については、今年の9月に東京・足立区の帝京科学大学・千住キャンパスで開かれる日本鳥学会大会で、ポスター発表と自由集会を開きます。
  今年は1日のみの「聴講参加」(1,000円)が設けられましたので、自由集会(9月13日午後3時30分―5時30分)やポスター発表(イソヒヨドリの説明は9月14日午後3時―5時)への参加がしやすくなりました。ただし、聴講参加の申込みは8月末までです。詳しくは日本鳥学会大会のサイトをご覧ください。

写真1

写真2



2019年6月26日水曜日

東京・自然教育園で「オオタカの営巣」を生中継

 港区白金台の自然教育園(国立科学博物館附属)は、当会がフィールドのひとつとしている緑地ですが、園内で一昨年からオオタカが営巣し、昨年は2羽の若鳥が巣立ちました。今年も営巣していて2羽のヒナが誕生しています。今月の18日から、その子育てのようすをテレビカメラで撮影し、館内のテレビで見せています。[ポスター]
  この園では、かつて「カワセミの営巣」状況を生中継し好評でしたが、今回も来園者が興味深げに見入っていました。[写真]
  なお、昨年までの営巣については、最新の『自然教育園報告・第50号』に報告されています。(観察記録 自然教育園におけるオオタカの初繁殖について)
 これらのことについて、詳しくは、同園のHPをごらんください。

※ポスターにはライブの期間は7月中旬までとありますが、巣立ちが1週間ほど早まっているとのことです。興味ある方は7月上旬までにお出かけください。


ポスター

ライブ映像を見る来園者

2019年5月18日土曜日

21世紀の“巣箱研究”開始

  ここ数年来、東京都内の緑島の鳥のようすを調べています。その中で新宿御苑(新宿・渋谷区)や北の丸公園(千代田区)に大量に掛けられている巣箱にちょっと注目しています。ほとんどはシジュウカラ用タイプで、近くの学校が学習の一環として作製しているものと思われます。比較的狭い範囲に数十個が集中して掛けられ、今はその利用状況を見ているのですが、芳しくはないようです。

  かつては“野鳥を増やそう”というスローガンのもとに、巣箱掛けは広く奨励されていましたが、近年は“特定種のみを増やす”・“落下して危険”と公園などでは敬遠されています。掛けられている巣箱のなかには、キビタキ・セキレイ用やコウモリ用のもの、また、郊外ではアオバズクやフクロウ用のものもあり多面的に調べる必要がありそうです。
  ところで先日、新宿御苑の「母子の森」でアオダイショウが巣穴を覗いている現場に遭遇しました【写真】。1.5mはありそうな大物で、巣箱のなかに首を突っ込みましたが営巣していなかったらしく空振り。聞くところによるとその場所の巣箱は以前にも襲われたことがあるとか。

 “人工物利用”という点で、巣箱は都市鳥研究の範疇にはいることなので、もう少し手広く調査を進めていきたいと思っています。岡山・吉備中央町で始まったブッポウソウの巣箱掛けは、広島・鳥取・四国に広がり、定着しているとのこと。以前から橋脚やダムサイトなど人工建造物を利用する鳥なので、全国的に広がる可能性があります。イソヒヨドリとともに、その動向を注視していきたいと思っています。〔川内 博〕


2019年4月30日火曜日

松屋銀座に人工巣を設置しました

  本会が都心のツバメ調査を本格的に始めた1984(昭和59)年から毎年観察を
続けているデパート・松屋銀座店(東京都中央区銀座3丁目)の東館の庇に、3
月7日にツバメの人工巣を取り付けました。〔写真1〕
  庇の壁には1992年にツバメが作った土の古巣がありますが、昨年はこの巣を
めぐり2番が争っていました。そこで今年はツバメの手助けをしようとデパー
ト関係者と相談し設置が決まりました。
  当日の取り付け作業は、バードリサーチの神山和夫さん、人工巣の制作者で
巣〔写真2〕を提供して下さった小川美奈子さん、そして金子が行い、写真は
本会会員の石井秀夫さんにお願いしました。
  4月2日にようすを見に行ったところ、近くを通った人が3月31日に来たよ!
と声をかけてくれました。また、古巣の下に糞が落ちていました。
  4月16日には、11時30分、雌雄が盛んに古巣に出入りしていて、雌が産座用
と思われる小さな枯草を運ぶのを観察し、19時30分に2羽が巣で寝ているのを
確認しました。近々産卵、抱卵になるではと思っています。(金子凱彦)


〔写真1〕松屋銀座東館と庇、周辺の環境は
観察を始めた当時とほとんど変わっていない

〔写真2〕産座用に枯草が敷いてある人工巣

2019年3月29日金曜日

「いそこさんの話・東京渋谷発」に新展開・いそ五郎の登場

 このブログや当会広報誌『都市鳥ニュース』でしばしば登場している東京渋
谷の雌のイソヒヨドリ「いそこ」さんが、昨秋10月25日を最後に突然来なくな
ったとの知らせが北野美穂子さんから届きました。
  知らせによると、どうしたんだろうと心配していたところ、11月6日にベラ
ンダに黒っぽいイソヒヨドリが! お腹が少し赤い、雄の若鳥〔写真〕。がっ
かりしながら観察していると、まるで以前からの住人のように給餌のミールワ
ームを食べていて、もしかしたらその前月の9月4日から2~3日姿を見せた若
い雄ではないかとのこと。
  いそこと入れ替わるように現れたこの若雄はいそこの子だろうか? 北野さ
んは “本当に不思議ですが、誰かからの紹介のようにやって来たこのイソヒ
ヨドリの雄”に「いそ五郎」と名付けたとのことです。いそ五郎くんはその日
から毎日のようベランダに来ているとのこと。
  当初は乱暴者だったのが、“セキレイさんをいじめたらダメ!!”と叱って
いたせいか、最近はベランダでハクセキレイと仲良くやっているそうです。
2014年10月から4年来ていたいそこに会えなくなってとても寂しく悲しいこと
ですが、いそ五郎を息子と思って見守っているとのことです。「なぜかイソヒ
ヨドリの来訪が途絶えない我が家のベランダ。これからも、適度な距離感をと
りつつ、観察したいと思います」と締めくくられていました。

  『バーダー』5月号に、イソヒヨドリの内陸部進出の話が載ります。いそこ
やいそ五郎の雄姿も紹介されています。ぜひお読みください。


2019年2月28日木曜日

東京・日野市で「東京の野鳥・都市鳥」の講演会・3月10日

東京・日野市郷土資料館では、昨年10月6日から今年の3月15日にかけて「日野の自然~鳥とともに~」を3つの展示会場で開いています。
10月28日には当会幹事で、日野の自然を守る会会員の金子凱彦さんの「日野にすまう鳥たち」の講演があり、11月4日には親子を対象とした「動物園でとりをふやす、まもる」、2月3日には地元の川「浅川バードウォッチング」が開かれました。

そしてこの3月10日(日)には当会代表の川内 博さんによる「東京の野鳥は今 どう変わった・なぜ変わった!」の講演があります。

川内さんは日本野鳥の会東京の幹事として長年、東京を中心とした野鳥・都市鳥の研究を続けていますので、明治神宮での70年にもおよぶ記録や東京駅付近でのツバメの30年ににおよぶ繁殖場所の変化、同じく30年間におけるカラスの都心3大ねぐらでの増減、カワセミ〔幼鳥・写真〕の動向など多岐にわたって“街の鳥”のようすが語られるでしょう。
定員は60名ということですが、まだ満席ではなく受けつけているとのことです。

【日時】3月10日(日)10時~12時 
【会場】カワセミハウス〔JR中央線豊田駅より徒歩7分〕 
【参加費等】無料 
【問い合わせ・申し込み】電話:042-592-0981



2019年2月24日日曜日

会誌URBAN BIRDS76号が発行されました

目次

巻頭言 世界の都市鳥研究 (橋本啓史)

八王子・日野におけるイソヒヨドリの繁殖分布拡大の状況を探る(第2報)(粕谷和夫)

ロシア極東の市街地の鳥類(西 教生)

千葉県富津岬における都市鳥の秋の渡り(1)(越川重治)

東京23区内の緑地・小石川後楽園における繁殖期のシジュウカラの個体数調
査(川内博・川内桂子)

有田一郎氏追悼文(川内 博)

ソコトラスズメに都市鳥のシナントロピズムを思う(有田一郎)
神奈川県箱根地域におけるイソヒヨドリの分布拡大(有田一郎)

中村司氏追悼文(唐沢孝一)

会記
2018年の発行・発信物 (川内 博)
2017年会計報告(金子凱彦,沼里和幸)



2019年1月30日水曜日

街路樹の古巣探索のすすめ・そして“卵の本”の紹介

 木枯らしが吹きすさぶ中、都市鳥研究会の事務所のある埼玉県和光市の駅前の街路樹にメジロの巣があることに気づきました。しかも隣り合ったアメリカハナミズキの枝に2か所。ふだん通る道で、メジロの声がしているのには気づいていましたが、まさか営巣しているとは思いませんでした。〔写真1〕

 街路樹だけでなく、駅前広場、公園、校庭などに繁殖の跡(古巣)を見ることが多い時期です。どんな場所に・どんな巣材で・どのようなかけ方をしているのかを調べるのも楽しいものです。
ところで、その巣には必ず卵がつきものです。最近、その「卵」に絞った興味深い本が出版されています。〔写真2〕

 日本では「卵収集」はさかんではありませんが、イギリスではコレクターがたくさんいて高額で取引がされていたようです。まず冒頭にウミガラスの卵の先端がなぜとがっているという謎が出されますが、この話はなじみの薄い鳥のためか、なかなかとっつきにくい感じでした。そこで「訳者のあとがき」を覗いたら“まずこの本の最後の章を読むと全体がわかりやすい”とのアドバイスがあったので、その順で読み進むと今まで知らなかった(興味をもっていなかった)卵の生態がわかり、“読んでよかった”というのが読後の感想です。私と同じように日ごろ関心を持っていなかった鳥好きにお勧めの一冊です。
〔川内 博〕

(写真1)メジロの古巣

(写真2)