2023年10月25日水曜日

皆さんの協力でできた・鶴ヶ島市高倉の森のカラスねぐら入り調査

鶴ヶ島市は埼玉県のほぼ中央部に位置し、東京都心より45㎞圏。かつては田や畑、雑木林に覆われていた農村でしたが、近年、自動車道などの交通網が発展し、ベットタウン化しつつある町です。2000年当初、日本野鳥の会東京が首都圏一帯のカラスのねぐらを調査していた時、東武東上線鶴ヶ島駅近くの林とこの高倉にカラスのねぐらがあることは把握されていましたが、実態を調べることなく過ぎていました。

このたび、当会会員で、坂戸野鳥観察会の富田恵理子さんの呼びかけで、「第2回 鶴ヶ島市高倉の森カラスのねぐら入り調査」が10月21日の夕方行われました。目的は“カラスが何羽集まっているの?”・“どこから飛んでくるの?”という素朴な疑問からで、当日午後3時半に集合。集まったのは、坂戸野鳥観察会、鳩山野鳥の会会員他、総勢17名。3分の2は女性で、なかには家族連れでの参加もありました。ねぐら地を取り囲むように5か所に観察者と記録者が配置され、午後4時半ごろから調査開始。ねぐら地の森からはハシブトガラスの声がさかんに聞こえてきました。

私は担当場所では当初はちらほらだった飛来が、時間が経つにつれて増え、最盛期には群れが次々と通過し、カウンターでは記録ができないくらいの状態で、目見当で20羽・30羽と記録者に伝えるほどでした。飛来は北東からで、地図で見ると飛んでくる方向には繁華な川越の街や大河川・荒川が流れています。飛来するカラスの種類は確定できませんが、当初はハシブトガラスの声が多かったのが、薄暗くなり、群れで飛来するころはハシボソガラスばかりの声でした。ねぐら地からは、ときどき集まったカラスたちが大群れで飛び立ち、そのようすから相当大きなねぐらであることがわかりました。【写真】

調査結果は後ほど発表されるとのことですのでそれを待つとして、参加されている方にごみ荒らし・人を攻撃するなどの“カラス害”を聞いたところ、特にないとのこと。東京都心部での個体数は急減し、郊外でのトラブルないということで、「社会的な大きな問題」ではなくなったようです。〔川内 博〕