2024年1月20日土曜日

東京都心・日比谷公園でウグイス5羽を

日本初の近代的洋風公園として知られる日比谷公園でウグイス5羽を確認しました。

日比谷公園は東京都心・千代田区の皇居外苑に隣接し、面積は16ha。音楽堂や公会堂、図書館、テニスコート、噴水池などがあり、オープン型で24時間出入り自由な空間です。

ここにいつもいる鳥は、ドバト・スズメ・ヒヨドリ・カルガモなどありふれた種類が中心ですが、冬になるとカワセミ・ツグミ・キセキレイなどとともにウグイスが定着しています。

ウグイスは東京都ではこれまでは完全な漂鳥(ひょうちょう)。市街地では冬鳥で、春先になると奥多摩などの山地へ移動する鳥でした。しかし、ここのところ徐々に繁殖分布を広げ、最近は市街地の23区でも繁殖期に生息しているのが観察されています。そのため、その美しい囀りを街なかの住宅地や公園で5月になっても楽しむことができるようになってきています。数年前には新宿御苑で繁殖期に囀りが長期間聞かれ、その後古巣も発見されたこともありました(子育ては確認されていないようですが)。

1月18日に1時間ほど探鳥したところ心字池・桜田通り沿い・松本楼の付近で各1羽、そして野外音楽堂沿いで2羽と計5羽を確認し、その写真も撮れました。【写真上】

公園はオープン型で、建物敷地以外は人が通れ、彼らが好むようなブッシュは少ないので、園内のほぼ全域に生息しているのは予想外でした。

23区内では公園などの緑地は徐々に増えていますが、彼らが好むような環境が増えたとは思えません。しかしこの事実は、何らかの“理由”があると考えざるをえない状況です。

造成されて120年経ち、都では老朽化とバリアフリーの設置を考え、10年計画で再整備を進めています。【写真下】 新しい“日比谷公園”で、どのような鳥がどう棲むようになるのか、まずは現状の鳥のようすを記録として残しておきたいと思っています。それにしても“都市鳥ウグイス”が誕生するのか目の離せない状況です。〔川内 博〕