2023年7月18日火曜日

マンション団地でのツミの繁殖

今年の6月初め、団地のテニスコート上空を鳴きながら飛びまわる2羽のツミを発見。場所は東京のベットタウン・埼玉県和光市の駅から5分程度のマンション団地のなか。計画的に建設されたため、高層の建物が11棟も林立する環境ですが、緑が多く図書館などもあり、各所に「広場」が点在しています。

ここでのツミの繁殖は今回が初めてではなく、5年前の2018(平成30)年7月に、同じ団地内で若鳥を見かけました。その時は巣を発見できませんでしたが、今回は抱卵・育雛・巣立ちを観察でき、巣立ちした3羽の若鳥の食事姿もとらえることができました【写真上】。営巣場所はテニスコートに隣接したジャングルジムなどを備えた子供たちの広場。巣はケヤキの高さ8メートルあたりに枝を積み重ねて造っていました。

地面から1か所だけ巣が見えるポイントがあり、その姿を望遠レンズで撮影し、状況を記録しました。大勢の人が住む団地ですので、双眼鏡や望遠鏡での長時間の“覗き”は自主規制。そのため繁殖生態はくわしくは観察できませんでした。周辺では連日オナガの群れが大騒ぎ。7月上旬に無事巣立ち。そのタイミングを計ったかのように、広場の片隅にはマンションの大規模改修のための資材置き場が建設されました【写真下】。〔川内博・桂子〕







2023年7月3日月曜日

『都市鳥ニュース』№34を発行しました

当会の広報誌『都市鳥ニュース』の最新号・№34を6月30日付で発行しました。特集は「都市のカラスたちの今・2」。興味深い記事は、前号で紹介した「春先の高病原性鳥インフルエンザ発生と市内のカラスの減少傾向について」の話から発展した、死因解明のための“クラウドファンディング初挑戦”の話で、当初の目標額の「70万円」を大きく上回る「200万円」に達したとの報告。“意義”と“やる気”があれば、資金面では世の中が味方してくれる事例として、参考になる情報です。【写真上・路上に放置されていたカラスの死体】

また、関東圏ではまだ珍しい“千羽烏(せんばがらす)”の異名をもつミヤマガラスの群れ【写真下】の観察報告は、興味ある人にとっては貴重な情報だと思います。さらに、「カラスの人工巣」の話は、社会問題となっている送電鉄塔への針金ハンガーなどによる営巣に対しての対策の一つとして、被害のない場所に人工巣を設置して、営巣を誘導する対策のようすなどが紹介されています。いずれも“都市鳥研究会”ならではの記事と自負しています。

さらに、「お知らせ」のなかの小さい記事ですが、“バックナンバーの貸出”の紹介が載っています。研究会誌『URBAN BIRDS』は、昨年通巻80号を発行していますが、そのうち通巻23号(1987年発行)~80号(2022年発行)までの冊子をA会員(有料会員)に“貸出す”という案内です。年会費2500円ですので、興味ある方はご一考ください。なお、『都市鳥ニュース』はPDF版で、B会員(年会費無料)や希望の方にはメールで贈っています。問合せ等はメールにてお願いします。≪写真:事務局提供≫  〔都市鳥研究会・事務局〕