2021年9月24日金曜日

東京の八王子・日野市域のイソヒヨドリが『ダーウィンが来た』で 紹介

 9月10日~13日にズームで開かれた「日本鳥学会2021年大会」では、当会からは埼玉県和光市内での今年の営巣のようす【写真・川内 博氏撮影】や、東京都・埼玉県でのこれまでの生息状況とともに、関東地方でもっとも生息・繁殖密度の高い八王子・日野市域での営巣状況を発表しました。

その八王子・日野市域でのイソヒヨドリの生態が、NHK総合の人気番組『ダーウィンが来た』で10月10日放送されるとのことです。同地での撮影は2019年から始まりましたが、昨年はコロナ禍で中断されたとか。

市街地のイソヒヨドリの生態がテレビ番組として紹介されることは初めてと思われます。タイトルは「ダーウィンが来た! ~街に大進出 青い鳥の謎~」とのことです。ご感想をお寄せください。

それに先立ち、9月26日の『ダーウィンが来た』の「ミニコーナー」では、東京・麹町でのイソヒヨドリのようすが紹介されるとのことです。麹町は東京でも一番の中心街のひとつ。都心部での生態はまだわかっていませんので、一つの情報としてとらえています〔都市鳥研究会・事務局〕




2021年9月8日水曜日

夏鳥・アカショウビンの東京での近況

 東京23区では渡来が途絶えていた夏鳥・アオバズクが、2年連続で繁殖したことは、“夏鳥復活か”とのやや希望もまじえて前号で紹介しましたが、先月末の8月31日、同じく激減しているカワセミの仲間の夏鳥・アカショウビン〔赤翡翠〕を、埼玉県和光市新倉6丁目で発見しました。ただし、残念なことに自動車事故死と思われる落鳥の形で【写真1・2】。 発見場所は通称「水道道路」と呼ばれる車道の歩道で、東京外環自動車道と立体交差するあたりでした。死後数日たっているようで、大きなハエが死体に止まり、下腹部には多数の蛆がわいていました。胸に黒っぽい横斑があることや全体的な色あいから今年生まれの若鳥で、渡りの途中で絶命したと思われます。合掌。  

  ところで、昨年の5月、人流の多い「JR新宿駅東口」に、サギの仲間の希少種ミゾゴイ〔溝五位〕が現れ、ネットやマスコミで紹介されていましたが、この鳥も激減いちじるしい夏鳥です。しかし、21世紀に入り、東京23区の足立区の舎人公園や世田谷区の蘆花公園、江東区の公園などで観察されることがあり、私もフィールドとしている港区の自然教育園で2017年4月に記録し、『自然教育園報告・第49号』に報告しました。ミゾゴイは「里の鳥」で、比較的身近な場所でも繁殖しているようですが、羽色・行動・鳴声などが地味で目立たないため、その生息状況はよくわかっていない鳥のひとつです。  

  一方、アカショウビンは印象的な大きな声で鳴き、姿も派手な赤色で目立つため、生息していれば必ず記録される鳥です。東京では山地部の奥多摩で少数繁殖しているようですが詳細は不明です。かつての名所・高尾山(八王子市)では、1981年を最後に繁殖期の記録が途絶えます。しかし2015・2016年の繁殖期に長期間観察されました。その年に繁殖したか否かは不明ですが、今後吉報を期待したいところです。

  アカショウビンもミゾゴイも“としちょう”とは無関係な種類の鳥と思われますが、本来の生息地に住宅や道路が迫り、環境が悪化するという都市化が激減の一端であることは間違いないことです。その復活はこれからも注視していきたいと思います。 〔川内 博〕


写真1



写真2