2023年9月28日木曜日

渋谷のカラス観察で驚いたこと

 9月10日に早朝の渋谷へ出かけ、カラスの観察に行って来ました。

かつての勤務地が渋谷だったこともあり、かなり慣れ親しんだ繁華街です。しかし、ここ15年ほどは足を運んでおらず、最近の様子を知りたくて出かけたのですが、想像を超える事態になっていました。

現地には5時に到着。道玄坂や東急本店通りには、日曜の朝だったので、土曜の夜から楽しんだ人達がたくさんいて、なかには路上で寝ている人もいます。私が知っていた時代の渋谷は、早朝だとさすがに人通りが少なく、閑散としていたのですが、今は、まるで昼間のように人がたくさんいるのには本当に驚きました。

日の出時刻になると、ハシブトガラスちらほらと姿を見せはじめました。しかし、なかなか地上近くに降りてきません。何故ならば人がたくさんいるからです。それでも6時頃になると路上にある生ゴミの袋に降りはじめました。驚いたことに、カラスはたくさんの人がすぐ近くを通っても、逃げるそぶりを見せずにかまわず生ゴミを漁っています。さすがにカメラを向けたら警戒するだろうと、少し離れた場所から撮影を始めました。ところがまったく気にすることなく食べ続けてるではありませんか。最後には1mくらいまで接近して撮影を続けましたが、カラスはまったくひるむことなく行動していました。

かつて、路上でゴミを漁るカラスを撮影するときは、少なくとも道路の反対側から狙わないとダメでしたが、イマドキのカラスは望遠レンズが要らないくらいの距離でも撮影が可能でした。渋谷のカラスがなぜ、こんなにも人やカメラを気にしなくなったのか。あまりにも人が多すぎるからでしょうか。それとも食べられるゴミが限られるので、気にしていられなくなったのでしょうか。カラスの心の変化が気になるところです。(柴田佳秀)

撮影していてもかまわずゴミを食べに来る

たくさんの人が通るすぐ横で食べる

カラスの世界がそこにはありました



2023年9月18日月曜日

東武東上線のムクドリの「駅前ねぐら」・第9回

2015(平成27)年8月14日の第1回以来、東京・池袋を起点とする私鉄・東武東上線の「ムクドリの駅前ねぐら」の紹介を続けています。短時間の調査で、“経過・傾向”を知るだけのものですが、行くたびに何らかの変化があって、それなりに興味をもって続けています。

今回は、夏の状況を知るために7月中旬と9月初旬に訪ねてみました。ムクドリのねぐらを確認したのは、7月は上福岡駅東口(1000羽以上)と志木駅東口(3000羽前後)【写真上】。ほかには朝霞台駅東口で100羽前後を認めただけでした。9月はふじみ野駅(1000羽以上)・志木駅東口(4000羽前後)。2つの駅ではムクドリが嫌うという“バードプロテクター”の音が鳴り響いていました。7月に上福岡駅に集まっていた群れが、従来のねぐらのふじみ野駅に移ったようです。ここのところ川越駅と朝霞台駅ではごく少数を認めただけで、ねぐら地にはなっていないようです。また、西武池袋線終着駅の本川越駅東口には糞跡がなく、ねぐらは解消しているようです。

全体的に見ると、以前のような住民や商店などとの“トラブル”が生じるような状況は、調査範囲の東上線沿線(池袋~川越市)まででは起こっていないようです。

ところで、志木駅東口には大規模なスズメのねぐらもあり、夕方、ムクドリより少し早く飛来し、駅前広場の街路樹や人家の植木に飛び込みます。その数は約2000羽。また、本川越駅東口のショッピングセンター「PePe」の高い屋根の上にはイソヒヨドリの姿を毎回確認【写真下】 “磯の鳥・イソヒヨドリ”の街なかでの定着が高まっていることを実感しています。これらはムクドリのねぐら調査の余禄のひとつです。〔川内 博〕