2018年6月21日木曜日

目を丸くされた“都市鳥・オオタカ”の近況

 6月9日、東京23区内のオオタカの営巣地を、埼玉県下で長年オオタカの保護・研究をされている方と歩きました。ここ数年来、大都会・東京の中でも市街地の23区内での営巣が目立って増えていますので、比較ということでのご案内です。
 今回は、ビルが立ち並ぶJR山手線の内側〔A〕と外側〔B〕の緑地をそれぞれ1か所ずつと、住宅街〔C〕の緑地の3か所です。〔A〕は昨年からの繁殖地で、園路の真上で営巣中。ヒナも確認できました。〔B〕は以前からの繁殖地で、今年も春には繁殖活動が見られましたが、何らかの理由で営巣にいたっていませんが、古巣の場所などを案内。いずれも道から巣が見えるような場所に造られています。
 〔C〕は昨年から営巣を始めたところで、昨年は多数のカラスに巣中の3羽のヒナが襲われて、1羽だけ生き残ってぶじ巣立ったという経歴があります。今年も周辺にハシブトガラスの声が響きわたっていますが同じ巣で営巣していました。巣は道から見え、白いヒナが3羽確認できました。
 土曜日だったためか、30名以上のカメラマンが水浴び姿に大砲のような超望遠レンズをむけ、また、木に止まって羽を乾かすしぐさにシャッター音が一斉に響きます。まるで人気スターの撮影会のようで、心なしか、オオタカ自身もそのことを意識しているように見えたのは気のせいでしょうか。
 ところで、そんなレンズの放列の中、オオタカは羽が乾き、枝から水際の手すりに飛び移りました。そこは50㎝横を親子連れの自転車や通行人やジョガーが次々に通り過ぎるような場所〔写真〕。オオタカは人を恐れるしぐさもなく止まり続けていましたが、突然水面めがけて飛び出しました。そこには5羽のヒナを連れたカルガモ親子と9羽の成鳥が泳いでいました。ヒナを狙ったと思われましたが失敗。カルガモたちはヒナを守るような位置取り泳ぎ、その中の1羽は近くに降りたオオタカに、鳴きながら、くちばしを突き出すという行為も見られました。
 通行人も含めて、数十人が見守る中の一連のオオタカの動きに、30年以上オオタカを見続けているベテラン研究者は、こんな光景を見たのは初めてと目を丸くされ、“う~ん”とうなられました。「山中のオオタカ」と「街なかのオオタカ」の違いにカルチャーショックを覚えられたようです。“都市鳥・オオタカ”の今後がどうなるか、これからもレポートしていきたいと思います。〔川内 博〕


2018年6月9日土曜日

都市鳥ニュース24号を発行しました。

当会の広報誌「都市鳥ニュース24号」を発行しました。イソヒヨドリ情報満載号です。


都市鳥ニュース24号目次

読み物:神奈川県箱根地域におけるイソヒヨドリの分布拡大(有田一郎)
読み物・2:イソヒヨドリ情報  
        「愛知県 日本鳥学会2017年度大会・ポスター発表から(橋本啓治)
投 稿:イソヒヨドリ情報 福岡県福岡市一帯(田村耕作)
投 稿:スズメの争い三態 大分県大分市(鈴木達雄)
ブログから
  コアジサシの屋上コロニー“最強”のカラス対策は
  イソヒヨドリの小さな話題・2つ
掲示版から
アンケートのお願い 
お知らせ:日本鳥学会2018年大会・自由集会のテーマは「イソヒヨドリ」
ご投稿のお願い・入会のご案内・編集後記