2020年4月28日火曜日

「外出自粛」のなかでフィールドノートの整理を・そして貴重な「データ」を生かそう!「全国鳥類繁殖分布調査」のアンケート調査へのご協力のお勧め

 新型コロナウイルス対応で「外出自粛」の“ステイホーム週間”ですが、野の鳥たちの動向が気になる日々が続いています。“コロナ対策”がまだ「3密」だった3月下旬~4月上旬の朝方、事務局のあるマンション団地の敷地に何番いのシジュウカラがいるのか、囀りの場所を地図上にチェックして調べる「テリトリー・マッピング法」を用いてチャレンジしました。結果は緑の多い8haの団地敷地〔写真〕に10番いが棲んでいることがわかりました。
  3月末まではウグイス、エナガ、コゲラ、シロハラなどの姿も確認できましたが4月に入るといなくなりました。一方、夏鳥のツミの声を買い物の行き帰りに2度耳にしましたので付近で営巣している可能性があり、気になるところです。また、今年は珍しくハシボソガラスが営巣しているようで、ハシブトガラスの声に混じって“だみ声”が響いています。ベランダから巣を探しているところです。さらに、眼下の小学校屋上の排水溝あたりには、今年もムクドリがさかんに出入りをしているのが見えます。いつヒナが出てくるか楽しみにしているところです。
  チョウゲンボウが向かいの病院の避雷針に止まったり、ワカケホンセイが目の前でUターンしたり、アオサギ4羽がすぐそばを北へ飛んでいる姿も確認したり、また、ツバメが2羽飛び交い、キジバトがディスプレイフライトをし、早朝にはシジュウカラやメジロ、カワラヒワの囀り、オナガやヒヨドリの騒ぎ声と、マンション9階からのバードウォッチングを楽しんでいます。

  そんな“自宅軟禁”状態のなか、もう一つの楽しみは、溜まりにたまった「フィールドノート」の整理。“いつかは何とかしなければ”と思っている方が多いのではないでしょうか。
ただ記録の整理だけではつまらないという方へ、今年8月が締切りの「全国鳥類繁殖分布調査」への協力をお勧めします。
  NPO法人・バードリサーチが中心になって3年かけて展開しているこの調査は今年が最終年。1970年代・1990年代と20年ごとに実施されているこの調査は、日本全土の鳥類の繁殖状況を調べているもので、世界的にみてもレベルの高いものです。これまでの記録を整理して、下記のサイトにアクセスして、野の鳥の繁殖に関する貴重な情報を入力してください。
アンケート調査は「外出自粛」のなかでも、過去の記録ですので、協力することができます。
対象種は外来種も含めて、日本に生息する鳥類全種です。 〔都市鳥研究会・事務局〕
http://www.bird-atlas.jp/



2020年4月5日日曜日

第8回・東京駅を中心としたツバメの繁殖調査・中止します 都市鳥研究会

  1985(昭和60)年から5年ごとに、4月~8月にかけて実施しています「東京駅を中心とした3km四方におけるツバメ Hirundo rustica の繁殖状況」調査は、新型コロナウイルスの問題を鑑み、今年は中止し、来年に延期します。

  調査地は下記の地図の範囲で、そのなかには、丸の内や大手町といった高層ビル街、日本橋や銀座などの大型商業地域、神田や築地といった企業や住宅街、そして皇居や日比谷公園などの緑地といった、さまざまな環境がモザイク状に混在する、日本の都市環境を代表するような一帯です。
  調査は今回で8回目になる予定でした。今年の目玉は、前回の調査で、これまで続いた営巣箇所数の“右肩下がり”傾向がやや持ち直したのが本物なのか、また、なぜか増えたかなど、調べることがたくさんありましたが、とりあえず“ウイルス問題の解消”が第一と考えました。
  4月~8月に、調査地内でツバメを見かけたり、巣の状況を知る機会がありましたら、都市鳥研究会・事務局にお知らせください。