茨城県取手市内の商業施設(私は週1~2回 程度利用)でイソヒヨドリの巣を発見しました。同店は市内有数の大型店舗で、多数の人が常時往来しています。今年の6 月20日朝、店建物に近づいたところ、あまり聞き慣れないヒナの餌ねだり声(細く短い金属製の声)が盛んにしています。屋根付近を見回していると、突然背後から激しい警戒の鳴き声「たたたたたた」がし始めました。
そちらを見ると3~4m先の看板の上にイソヒヨドリのメスが大きな毛虫をくわえて鳴いています。少し遠ざかって見ていると、建物屋根の角【写真】に飛び込み、少しして何もくわえずに飛び出しました。
その後、その屋根角の真下に行ってよく見ると、少しはみ出した巣材も見えます(ただしスズメの巣の可能性もあり、正確な位置は不明)。約30分後に買い物を終えてその場所に近づくとメスは警戒鳴きしていた所に止まっています。注視されていることに気がつかなければ、人が側を通っていても反応しませんでした.
この場所でのイソヒヨドリの飛来状況については、昨年5月7日に店舗北側の駐車場近辺で、初めてオスに気づきました。そのシーズン中、雌雄各1個体がいて、虫をくわえているのを見ていたので、繁殖したと思われます。そして、恐らく巣は空き家などがある北側の崖付近のどこかだろうと思っていました。
今年は3月29日に初目撃し、特徴的なオスの求愛コールを聞き、またメスの「疑似餌ねだり」行動も観察しています。昨年も今年同様に屋根裏を使ったかどうかは不明ですが、巣の下は買い物時の通り道で、普段から鳥の姿には気をつけていて、気がつかなかったので、違う可能性のほうが高いと考えています。
なお、この建物の屋根(地上から5~6m)には構造上隙間が多数あって、スズメ、ムクドリ、 キジバトが巣に利用しています。〔福田道雄〕