野生生物があまり好まない環境とされる「都市」。しかし、いま街の中には複数の猛禽類が昼夜にわたって飛び回っています。「都市」は人間が自分たちの住みやすい環境として造った場所で、野生動物にとっては不適な環境と考えられていましたが、いま世界的に“街の鳥”〔都市鳥・としちょう〕の生態が注目されています。
かつては「種の保存法」で国内希少野生生物に指定されていたオオタカが、都市環境の代表的な「東京23区」の、その半分以上の地域で「繁殖」しています。また、日本最小のタカで、戦前は国内で数例しか繁殖記録が残されていないツミ【写真上・マンションのベランダから巣を見守る雄】は、首都圏各地の小公園や校庭、街路樹などの緑で子育てをしています。彼らの共通した獲物は「鳥類」。キジバトやドバト、ムクドリ、スズメ、シジュウカラなどを餌として、毎年“都会派猛禽”が誕生しています。さらに、ハヤブサのなかまのチョウゲンボウ【写真下・橋げたで育った若鳥】やフクロウといった猛禽も、鳥類を主食として各地の街で増えています。
前号と今号で、東京やその近郊だけでなく、愛知県や那覇などの状況を紹介しています。その目次は当会HP MENUの「都市鳥ニュース」をご覧ください。興味をお持ちの方は希望の号をリクエストください。配信します。
ツミ マンションのベランダから巣を見守る雄 |
橋げたで育ったチョウゲンボウの若鳥 |