2025年7月22日火曜日

イソヒヨドリの繁殖巣発見・茨城県取手市

茨城県取手市内の商業施設(私は週1~2回 程度利用)でイソヒヨドリの巣を発見しました。同店は市内有数の大型店舗で、多数の人が常時往来しています。今年の6 月20日朝、店建物に近づいたところ、あまり聞き慣れないヒナの餌ねだり声(細く短い金属製の声)が盛んにしています。屋根付近を見回していると、突然背後から激しい警戒の鳴き声「たたたたたた」がし始めました。

そちらを見ると3~4m先の看板の上にイソヒヨドリのメスが大きな毛虫をくわえて鳴いています。少し遠ざかって見ていると、建物屋根の角【写真】に飛び込み、少しして何もくわえずに飛び出しました。

 その後、その屋根角の真下に行ってよく見ると、少しはみ出した巣材も見えます(ただしスズメの巣の可能性もあり、正確な位置は不明)。約30分後に買い物を終えてその場所に近づくとメスは警戒鳴きしていた所に止まっています。注視されていることに気がつかなければ、人が側を通っていても反応しませんでした.

この場所でのイソヒヨドリの飛来状況については、昨年5月7日に店舗北側の駐車場近辺で、初めてオスに気づきました。そのシーズン中、雌雄各1個体がいて、虫をくわえているのを見ていたので、繁殖したと思われます。そして、恐らく巣は空き家などがある北側の崖付近のどこかだろうと思っていました。

今年は3月29日に初目撃し、特徴的なオスの求愛コールを聞き、またメスの「疑似餌ねだり」行動も観察しています。昨年も今年同様に屋根裏を使ったかどうかは不明ですが、巣の下は買い物時の通り道で、普段から鳥の姿には気をつけていて、気がつかなかったので、違う可能性のほうが高いと考えています。

  なお、この建物の屋根(地上から5~6m)には構造上隙間が多数あって、スズメ、ムクドリ、 キジバトが巣に利用しています。〔福田道雄〕



 

2025年7月5日土曜日

『都市鳥ニュース』№38を発行しました・“街のなかの猛禽類”に興味ある方に配信します

野生生物があまり好まない環境とされる「都市」。しかし、いま街の中には複数の猛禽類が昼夜にわたって飛び回っています。「都市」は人間が自分たちの住みやすい環境として造った場所で、野生動物にとっては不適な環境と考えられていましたが、いま世界的に“街の鳥”〔都市鳥・としちょう〕の生態が注目されています。

かつては「種の保存法」で国内希少野生生物に指定されていたオオタカが、都市環境の代表的な「東京23区」の、その半分以上の地域で「繁殖」しています。また、日本最小のタカで、戦前は国内で数例しか繁殖記録が残されていないツミ【写真上・マンションのベランダから巣を見守る雄】は、首都圏各地の小公園や校庭、街路樹などの緑で子育てをしています。彼らの共通した獲物は「鳥類」。キジバトやドバト、ムクドリ、スズメ、シジュウカラなどを餌として、毎年“都会派猛禽”が誕生しています。さらに、ハヤブサのなかまのチョウゲンボウ【写真下・橋げたで育った若鳥】やフクロウといった猛禽も、鳥類を主食として各地の街で増えています。

前号と今号で、東京やその近郊だけでなく、愛知県や那覇などの状況を紹介しています。その目次は当会HP MENUの「都市鳥ニュース」をご覧ください。興味をお持ちの方は希望の号をリクエストください。配信します。


ツミ マンションのベランダから巣を見守る雄

橋げたで育ったチョウゲンボウの若鳥