2015年5月29日金曜日

札幌でのハシボソガラスの「車利用クルミ割り」の現場

526925分ごろ、北大植物園へ向かう途中、「おや? 道路の真ん中に降りるハシボソガラスが?!」。車が来たら街路樹に退散して、また降りる。どうも何かを位置を変えて置いているらしい〔写真1〕。
もしや? 仙台・東北大学構内で見た「車利用のクルミ割り」と同じ! 先を急いでいたので飛び立つまで見続けなかったが、数分後また戻ってみたら残念ながらもうカラスの姿はなかったので、今回はそれ以上観察しませんでした。

場所は信号があるT字路。交差点に向かう緩やかな下り坂〔写真2〕。
坂なので車はゆっくり進む。園内に入って調べてみたら、T字路の近くに池がありオニグルミが何本かありました。園内での調査を終え、また現場に行って路上を探すと歩道にクルミの実のからがいくつも散乱していましたので、いつも利用していると思われます。

場所は「北3西7」交差点。札幌・北大植物園を訪れる機会があったら、
ぜひ観察して、そのレポートをこのブログに報告してください。 (川内桂子)


写真1:車道にクルミを置くハシボソガラス


写真2:クルミを置いた車線はT字路交差点に向かう側

2015年5月14日木曜日

いそこさんの話・東京渋谷発

私の家は、東京・渋谷駅から徒歩12分のわりと繁華街に近いところにあるのですが、マンションのベランダで、ハクセキレイと仲良くしています。
餌台を常時置いているわけではなく、来て催促されたら缶詰のミルワームをあげています。今まで10数羽が来ましたが、それぞれ名前をつけて、もう出会ってから4年目の子もいます。写真を撮ったり、観察日記をつけていて、いろいろわかったこととか、おもしろいエピソードなどもあり、いつかレポートにまとめたいと思っています。

さて、去年の秋くらいから、エサを食べるハクセキレイをどこからか見ていたようで、イソヒヨドリの雌が来るようになりました。1日に4~5回、ベランダの柵に止まってこっちを見てエサをねだります〔写真〕。ミルワームの缶詰は高いので、ミルワームは時々で、あとは添加物の少ないパンをあげていましたが、不満そうに食べていました。


ヒヨドリと比べておとなしく、「いそこさん」と呼んでかわいがっていましたが、暖かくなり、4月11日を最後に来なくなりました。毎日来ていたので寂しいですが、また秋にくるかもしれないな・・と思っています。(北野美穂子)

わが家を訪れたイソヒヨドリの雌

2015年5月13日水曜日

同一の人家で営巣中のツバメとイソヒヨドリ

 201554日、三重県多気郡大台町にある1軒の人家で、ツバメとイソヒヨドリが営巣をしていました。巣のなかを確認すると、両種とも6個の卵を抱卵中でした。ツバメの巣〔写真1〕は玄関とその近く(南側)に2個あり、イソヒヨドリの巣〔写真2〕は家の東側にあります。両種の巣は5mほど離れています。この人家では以前から複数のツバメが繁殖していましたが、イソヒヨドリが営巣をしたのは今年が初めてです。

 2日間、ツバメとイソヒヨドリの行動を観察しました。イソヒヨドリはおもにメスが抱卵をしているため、オスは巣の近くの建物上に止まっていたり、営巣場所の周りを飛び回ったりしています。このとき、イソヒヨドリのオスがツバメの巣の近くに来ると、数羽のツバメが警戒声を出して、急降下を繰り返してモビングをしていました。巣に近づいたネコやカラス類などに対しておこなうモビングと同じです。私はイソヒヨドリがツバメの卵や巣内ビナを捕食する場面を見ていませんが、ツバメはイソヒヨドリを捕食者として認識しいているのかもしれません。なお、当地で繁殖期にイソヒヨドリが観察されるようになったのは2002年からです。 (西 教生)

(写真1)ツバメの巣


(写真2)イソヒヨドリの巣


2015年5月3日日曜日

東京駅一帯のツバメはどうなったのか・第7回調査始まる

今年も東京都心にツバメが還ってきました〔写真〕。1985(昭和60)年から、5年ごとに実施している「東京駅を中心とした3km四方におけるツバメの繁殖状況調査」(略称:東京駅ツバメ調査)は今回で7回目。
調査地は銀座・日本橋・大手町・神田・皇居とだれもが知っているような地域。第1回調査では44か所の営巣地を見つけましたが、調査のたびに減少し、前回2010年の調査では14か所になっていました〔図〕。
減少の大きな原因にビルの建てかえがあります。今回の事前調査でも、前回まで営巣していたビルのある神田と銀座の2か所で、大規模な再開発がされていました。これで少なくとも3か所の営巣地がなくなったことが判明しました。ツバメは、新しく建てられた、大きなビルには営巣しません。東京都心のこの地に新たに建つビルは、天を貫くような超高層ビルばかり。今後も建物の老朽化で建てかえが進むと思われます。
 都市鳥研究会では、そんな東京の変化を記録し続けています。いっしょに調べてみませんか。


写真:還ってきたツバメ

図 調査地区