2015年5月4日、三重県多気郡大台町にある1軒の人家で、ツバメとイソヒヨドリが営巣をしていました。巣のなかを確認すると、両種とも6個の卵を抱卵中でした。ツバメの巣〔写真1〕は玄関とその近く(南側)に2個あり、イソヒヨドリの巣〔写真2〕は家の東側にあります。両種の巣は5mほど離れています。この人家では以前から複数のツバメが繁殖していましたが、イソヒヨドリが営巣をしたのは今年が初めてです。
2日間、ツバメとイソヒヨドリの行動を観察しました。イソヒヨドリはおもにメスが抱卵をしているため、オスは巣の近くの建物上に止まっていたり、営巣場所の周りを飛び回ったりしています。このとき、イソヒヨドリのオスがツバメの巣の近くに来ると、数羽のツバメが警戒声を出して、急降下を繰り返してモビングをしていました。巣に近づいたネコやカラス類などに対しておこなうモビングと同じです。私はイソヒヨドリがツバメの卵や巣内ビナを捕食する場面を見ていませんが、ツバメはイソヒヨドリを捕食者として認識しいているのかもしれません。なお、当地で繁殖期にイソヒヨドリが観察されるようになったのは2002年からです。 (西 教生)
(写真1)ツバメの巣 |
(写真2)イソヒヨドリの巣 |