2015年7月19日日曜日

販売用黒土の山に営巣したカワセミ夫婦・・・残念!

埼玉から東京へ流れる新河岸川。荒川の西側にそって流れ、岩淵水門で隅田川と合流する小河川。江戸時代から明治時代にかけては、川越と江戸の物資や人を運ぶ舟便が行き交う重要なルートでした。
そんな川に棲むカワセミ夫婦〔写真1〕が選んだ“愛の巣”は、川岸近くの「資材・リサイクルセンター」の中の黒土の山〔写真2〕。周辺のようすやカワセミの飛ぶ方向を見て、この場所と思い、お願いして敷地内を見せてもらったところ、複数の巣穴〔写真3〕が販売用に盛られた赤土や黒土に。
対応していただいた会社の方も好意的で、観察を続けてもらっていたのですが、話が社員全員には伝わっていず、ある日営巣していた黒土はその一部が売られ、巣穴が壊されたとのこと。卵が3個。ご厚意で譲り受け、中味を出したら、途中まで育っていました。
場所は東京都板橋区との境に近い、埼玉県和光市下新倉。もっと上流では川辺の土手で繁殖しているとか。いい場所が得られなかった若夫婦が、やっと見つけた場所と思われますが、残念な結果と終わりました。

カワセミのために1か月、“商品”を手つかずにそのまま置いておけるのか、難しい問題ですね。(川内 博)

(写真1)愛の巣の場所をさがすカワセミ夫婦

(写真2)リサイクルセンター内は
早朝から作業車が走り回っていた

(写真3)結局この穴を使っていたのだが

2015年7月4日土曜日

真っ最中! とうきょう圏のオオタカの繁殖

7月に入り、「とうきょう圏」(東京を中心とした首都圏一帯)では、オオタカの幼鳥の声が各地で響いています。
ところで、当会事務局の地元(埼玉県和光市)ではまだ繁殖は確認されていませんが、隣接する朝霞市や東京都練馬区・板橋区では10年来、毎年営巣が記録されています。
今年、その中の1か所を追ってみました。川沿いに残された緑地で、周辺は住宅と畑地。この森ではこの冬に山火事が発生し、10分の1程度が焼けて、現在焼け跡は整理中。また隣接する畑地の一角は住宅地として造成中で、連日ショベルカーやトラックが大きな音をたてて動きまわり、作業の人が働いています。
そんな中で営巣するかを注視。6月半ば、明らかに営巣している動きはありましたが巣はなかなか見つかりませんでした。そこで当会会員で、オオタカのすばらしい写真も撮っている土橋信夫さんの力を借りたところ、数日でヒナがいる巣を発見。同時にハシブトガラスとの空中戦の迫力ある写真も送られてきました。本日(74日)、カラスの古巣を土台とした大きな巣と、巣の外に幼鳥2 羽を確認し、とりあえず繁殖確認をすることができました〔写真〕。

当会では、昨年3月に「東京オオタカ・シンポジウム」(日本野鳥の会東京・立教大学理学部共催)を開き、首都圏のオオタカの繁殖実態を明らかにしました。そのシンポの報告を会誌『URBAN BIRDS』に40ページにわたり掲載しています。その号は1,000円(送料込)にて頒布していますので、事務局宛てご注文下さい。(川内 博)