2016年7月30日土曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・第3報

昨年から紹介を始めた東武東上線沿線のムクドリの「駅前のねぐら」のようす。昨冬121日付の第2報の続きから始めますと、越冬の可能性もと記した北朝霞駅周辺は、結局2月以降は姿を消し、冬越しはありませんでした。
今年も、池袋(東京都)~川越(埼玉県)間でのチェックをしています。ねぐら形成の状況は、昨夏とほぼ同じで、和光市駅を除く、埼玉県下の「急行停車駅」のようです。
723日のふじみ野駅・西口は大騒ぎでした。数日前にロータリーから大通りに続く一帯のケヤキの街路樹は丸坊主状態に剪定され、落ち着かないのか、薄暗い中をいつまでも、空を舞う群れが見られました。
いつもはスズメのお宿になっているコンビニ角からの横道の、選定されていないイチョウの並木にも強引に多数が入り込んだり、近くの電線に止まったりしていました。そのうえ、そんな状況に頭に来たおじさんが、バケツをたたいて追い立てたりで、騒ぎはいつまでも続いていました。

ふじみの駅・東口に行くとシーンとしているのに、人通りの多い西側だけにムクドリは飛来しています。これが駅の規模が大きい川越駅だと、両側のロータリーにねぐらが形成されてています。ポイントはやはり“にぎやかさ”か。(川内 博・桂子)


2016年7月22日金曜日

日本鳥学会2016年度大会で自由集会。今回のテーマはカラスのねぐら問題

 都市鳥研究会では、今年度も北海道札幌の北海道大学で9月16日~19日に行われる日本鳥学会2016年度大会で自由集会を企画しています。
札幌と言えば東京とならぶ日本有数のカラス都市です。したがって今回のテーマはとうぜんカラスにしました。

カラス類は、これまでゴミの食い荒らしや人への攻撃などのいわゆる「カラス問題」と称される様々な人との軋轢を生じさせてきました。なかには大きな社会問題となって、その対策に頭を悩まされているのが現状です。今回は、そんな「カラス問題」の1つであるねぐら問題に焦点を当て、「カラスのねぐらをどうするか-古くて新しいカラス問題-」と題して自由集会を行います。

カラスのねぐらは、普通は樹林地につくられますが、ときに市街地のど真ん中の公園などに作られることがあり、大きな社会問題になります。このような都市型のねぐらは、ここ十年くらい間に増加傾向にあり、とくに地方都市で問題が多発しています。また、ここ数年、個体数を増加させているミヤマガラスが市街地に大規模なねぐらをつくるという新しいタイプの問題も起こっています。

ねぐら問題の解決はとても難しく、今回の自由集会で結論がでないのは容易に想像できますが、鳥の専門家があつまる学会で問題点の整理や討論を行うことで新たな道筋が見いだせるのではないかと期待しています。

また、エキスカーションとして、札幌で詳しくカラスの観察研究をおこなっている中村眞樹子さんの案内で、早朝のカラスの観察会も予定しています。


甲府の街路樹にできたハシボソがラスのねぐら