2020(令和2)年の春に第8回の調査を予定していた「東京駅を中心とした3㎞四方におけるツバメ Hirundo rusutica の繁殖状況調査」(以下、「東京駅ツバメ調査」と略す)は、折からのコロナ禍を受けて延期していましたが、状況の改善がはかばかしくなく、中止いたしました。しかし、会としての調査ではなく、個人的な調査として、前回(2015年)以降に、かつて営巣した場所を中心に状況を記録しましたので地図にして紹介します。
地図の中心地は東京駅で、上下左右が3㎞、上方向が北です。この地には、銀座や日本橋といった大規模な商業地域(地図上のE・F・H)、神田や人形町などの中・小のビル街が密集する地域(A・H・D)、兜町などの商社のビルが林立し、高速道路が縦横に走る地域(F)、丸の内・大手町など超高層ビルが林立する地域(B)、日比谷公園や皇居外苑など緑と水のある地域C)、そして皇居や東御苑など緑地でおおわれている地域(I)がモザイク状に入り乱れている、日本の都市環境を代表するような地域です。
ここをフィールドに1985(昭和60)年から5年ごとに、「東京駅ツバメ調査」を実施していて、その状況は当会の研究誌『URBAN BIRDS』に発表しています。
2020~2022〔令和2~4〕年の状況は、とりあえず、6月末発行予定の当会の広報誌『都市鳥ニュース』に発表予定です。ここでは、その状況を下記の地図で紹介します。
【ツバメの営巣場所地図】
●:この期間に営巣を記録した場所〔8か所〕
●:この期間に営巣は記録されていないが、巣や営巣場所が残っていた場所〔7か所〕
●:この期間に営巣していた建物が改築などで無くなった場所〔4か所〕 (川内 博