2024年5月30日木曜日

内陸部定着が進むイソヒヨドリ

当会事務局のある埼玉県和光市では、これまで2か所での繁殖記録があります。1か所は和光市駅近くの総合スーパー4階の屋上駐車場、もう1か所は同駅から数キロ離れた郊外の産業道路ぞいの大型郵便局の3階です。

今春の状況は、和光市駅周辺では8階建てのホテルの屋上や付近のビルの上で囀る姿や声が5月中旬まで確認できました。しかしそれ以降現在まで姿・声ともなく、生息しなくなったとも思われますが、これまでの経験からすると、突然巣立ちビナが現れるという可能性もあります。街なかでの繁殖確認はなかなか難しい鳥です。

一方、郊外の方は、5月4日に今年始めて、営巣地近くの小川沿いの手すりに止まる雄を見かけました。【写真上】その後、周辺で姿や声を確認していましたが、5月27日、ムカデをくわえた雄が、昨年も繁殖成功した営巣場所の近くに止まっているのを見かけました。【写真下】 雄は餌をくわえて巣穴に飛び込み、空で出てくるのを目撃しました。今のところ雌の姿は確認できていませんが、状況からペアで繁殖にいそしんでことは間違いと思いわれます。

ところで、今月は神奈川県や兵庫県からのイソヒヨドリ観察情報が5件寄せられました。なかには営巣やヒナに関しての観察もあり、この内陸部定着がますます進んでいるようです。〔都市鳥研究会事務局〕