2025年1月19日日曜日

都市の変化に翻弄される都会の鳥たち

私の都市鳥観察のメインフィールドの一つは千葉県柏市にあるJR柏駅周辺です。たいてい毎日、買い物で利用するのですが、そのついでに鳥を見ています。
駅近くにはイトーヨーカドーがあって、その壁面にある排気口でチョウゲンボウが繁殖しており、毎年、ヒナが巣立つのを楽しみにしていました。

イトーヨーカドー柏店の排気口にいるチョウゲンボウのヒナ

ところが昨年10月、このイトーヨーカドーが閉店してしまい、築50年以上のこのビルが今後どうなるのかわかっていません。おそらく取り壊すことになると思いますが、そうなるとこのチョウゲンボウの動向が気になります。新しい営巣場所を見つけて棲み続けるのか、それとも姿を消してしまうのか。

また、駅に隣接するデパート「そごう柏店」には、冬期を中心にハヤブサがとまっていることがあり、それを観察するのも楽しみでした。

展望レストランの梁にとまるハヤブサ

このデパートには特徴的な展望レストランがあり、その下がハヤブサのお気に入りとまりばで、ハヤブサ特有の下にたれる糞がたくさん建物のひさしについていることから、そうとう頻繁に利用していることがうかがえます。

青いひさしには無数の糞が

また、2022年の春にはオスとメスのペアが滞在していたので、もしかしたら繁殖?と期待したのですが、確認には至りませんでした。
そのそごうも2016年に経営不振で閉店。2024年まで取り壊されずに残っていたのですが、現在は解体工事の進められています。その結果、現在、ハヤブサの姿はありません。

チョウゲンボウやハヤブサは、都市環境に新たな生息地を見いだし、アーバンライフをするようになりました。しかし、都市は人の都合で変化するものでもあります。彼らはこれからどうするのかその動向を見つめていきたいと思っています。(柴田佳秀)