2025年3月22日土曜日

エナガの営巣条件とは

エナガの繁殖シーズンになりました。

彼らは、早春の2月中頃から苔や地衣類をクモの糸を絡めて直径20㎝ほどの丸い袋状の巣を作ります。そして、中には大量の鳥の羽毛が入っています。ある調査では2,900枚も入っていたそうですから驚いてしまいます。

巣を作るエナガ

ちなみに羽毛の枚数は寒い時期に作られた巣ほど多く、暖かくなると減る傾向があるそうです。そういったことから考えると、巣の中の羽毛は寒さ対策である可能性が示唆されています。

ところで、この大量の羽毛をエナガはどこから調達するのでしょうか。よく言われるのは、オオタカなどが獲物を捕らえ、食べるために羽毛を抜いたあとから持ってくるというものです。確かにオオタカがいると、地面にドバトなどの羽毛が大量に落ちていることがあります。そこからどんどん持ってくるのでしょう。巣の中に同じ種の羽毛が大量にあることから、猛禽類の存在がエナガの営巣には重要ではなないかとする論文があります。

今、エナガは東京都心部の緑が多い公園でも繁殖をしています。かつてはエナガの存在すらほとんど感じなかったのですが、現在は繁殖するようにまでなっているのです。そして、その繁殖開始の背景には、オオタカの存在が指摘されています。オオタカが棲むようになったことで羽毛が手に入り、エナガも巣造りが可能になったのではないかという仮説です。

ただ、私が観察している場所ではエナガが営巣していますが、オオタカはいません。そこでエナガを追跡して、羽毛を調達している現場を突き止めることにしました。すると彼らは必ず池の畔へ向かっていることがわかりました。岸辺にはカモ類が羽づくろいして抜け落ちた羽毛がたくさん落ちていて、そこから羽毛を調達していたのです。

カモの羽毛を運ぶエナガ

このことから、エナガの繁殖には必ずしもオオタカなどの猛禽類がいる必要はなく、カモがいる池があれば営巣可能であるように思えるのです。これからはもっと詳細にデータをとっていきたいと思っています。(柴田佳秀)