2018年5月14日月曜日

あなたの町の都市鳥は?アンケート募集中

  都市鳥研究会では、全国の都市鳥の現状を把握したいと思っています。その準備として、下記の項目について、状況の下調べを始めました。ぜひご協力ください。

1.あなたの町で、もっとも数の多い・目立つ鳥を上位10種上げてください
2.あなたの町で、鳥に関してどんな問題・話題がありますか。3つ以内で
3.あなたの町で、いわゆる『ムクドリのねぐら問題』は発生していますか
4.あなたの町で、カラスのことでトラブルはありますか
5.あなたの町で、オオタカを見かけることはありますか
6.あなたの町で、イソヒヨドリの動きに変化はありますか
7.その他、お気づきのことをお願いします。
   
※厳密なものではなく、最近のことで、部分的・思いつくことだけでも結構です。
 ツバメ〔写真〕の近況などもお寄せください。お名前・連絡先をお忘れなく!

〔送り先〕メール:hkawachi2dream@yahoo.co.jp  Fax:048-462-7141
     郵送:〒351-0114 埼玉県和光市本町31-16-901 都市鳥研究会・事務局



2018年4月23日月曜日

東京都心部からのカワセミ情報続々・都市鳥の繁殖のようすをお知らせください

  冬季に水辺でカワセミを見る機会は、ごく普通になりましたが、今春は東京都心部から、繁殖期の生息情報が次々と寄せられています。場所等は公開できませんが、池のある庭園、がけ地のある川沿い、人工崖を設置した水辺などで、いずれも雌雄が確認されています。
なかには、巣穴が見られ、抱卵している観察もあります〔写真〕。
  カワセミだけでなく、イソヒヨドリなど興味ある都市鳥の動向を追っていると、その動向を掌握できないくらいの数になっている状況です。皆さんの街ではいかがでしょうか。
  もっとも身近かな都市鳥・ツバメやスズメ、カラスなどについても、その繁殖生態を追跡していると意外と興味ある観察があるものです。
  東京都心の森でもエナガのヒナ連れを見かけるようになってきました。スズメのヒナの声を耳にするようになり、次はシジュウカラの子連れが出てくると春本番。鳥たちの繁殖季節、今年どんなニュースが飛び出すか楽しみにしています。ぜひご報告ください。


2018年3月15日木曜日

エナガの巣造り・・・東京都心部の緑地でさかん

東京都心部にエナガが本格的に進出してきてから10年がたちますが、その勢い
はますますさかんで、ここのところ明治神宮、自然教育園、小石川植物園など
の緑地を歩くと、何つがいものエナガに出合います。
少し注意をしてみると、樹幹からコケをむしり取ったり、タカ類の食痕から羽
毛を運んだりと忙しく巣造りにはげんでいます〔写真・川内博氏撮影〕。ここ
のところは、まだ尾はまっすぐで“尾曲り”個体は見かけていませんので、営
巣には入っていないようです。
それにしても、巣の中には羽毛が詰め込まれ、その数は何本か調べたいと思っ
ていますが、採取した完品の古巣を壊すのがもったいなく躊躇しています。巣
穴から見ると中は羽毛がいっぱいで、そののなかで10羽ものヒナたちが育って
いく過程が知りたいところです。
 
3月18日(日)のNHK総合の「ダーウィンが来た」はエナガとのこと。“巧(た
くみ)の技で生きる! 里山のもふもふ鳥エナガ”というタイトルですので、
その片鱗がわかるかもしれません。都市鳥研究会も番組作成にちょっぴりかか
わっています。お見逃しなく。



2018年2月17日土曜日

都市鳥研究会誌URBAN BIRDSVol.34が発行されました

アーバンバーズ目次 2017

●巻頭言(沼里和幸)   

●都市環境に増加したムクドリの集団ねぐらとねぐら形成要因の分析-ビル壁の存在が重要な条件だった-(越川重治)    
                           
●東京23区内の3つの緑地〔新宿御苑・六義園・清澄庭園〕における繁殖期のシジュウカの個体数調査(川内 博・川内桂子)    


●京都府巨椋池干拓地におけるスズメ個体数の比較 -38年前と同じ道を冬の半日たどってみた-(有田一郎)     

●総目次 通巻第50号~通巻第75号
                      
                              

2018年1月26日金曜日

イソヒヨドリのちいさい話題・2つ

 イソヒヨドリの内陸部進出について鋭意調査中ですが、最近の小観察2つを紹介します。
ひとつはカンボジアのアンコール・ワットでのこと。昨年12月に観光ツアーに参加し、プノンペンとシェムリアップを訪れました。主目的は世界遺産の観光ですが、途中、常に周辺にも目を光らせ、どんな鳥がいるのかチェックしていました。

 旅行中観察できた鳥はあまり多くないのですが、「つばめの放鳥」の体験や途中の車中から多数見えたTVアンテナにかけられた巣がスズメの物であることの確認など、興味ある観察ができました。しかし、もっとも大きな収穫は現在進行中のイソヒヨドリのこと。
 史跡最大のアンコール・トムへはいる石造りの「南大門」を通り抜けて、ふと振り返って門を見たところ、なにか動くものが目に入りました。双眼鏡で確認するとイソヒヨドリの雄〔写真1・2〕。タイプはアオハラではなく、日本と同じ栗色の腹でした。午後にはアンコール・ワットで、やはり石造りの建物の屋根に止まる雌を観察。当地の近くには大河(メコン)や東南アジア最大の湖(トンレ・サップ)はあるものの、海辺からは200kmはある内陸部。2か所の観察の共通点は「石造り」。

 イソヒヨドリと「石造り」の関連をさらに実感じたのは、今年1月中旬のこと。東京湾のミヤコドリの生態調査中に、千葉県市川市下妙典の江戸川に注ぎ込む石造りの水門施設に止まるイソヒヨドリの雄〔写真3・4〕を見たとき。土手を歩きながら、こんなところにはイソヒヨドリがよくいるのだがと思ったのがみごとに的中。   
 1つひとつは小さな観察ですが、それを積み重ねることが、この鳥の内陸部進出の謎を解くひとつの手掛かりになるのではないかと思っています。
〔川内 博〕


写真1:アンコール・トムの有名な南大門の全景

写真2:南大門に止まっていたイソヒヨドリの雄

写真3:江戸川土手の水門施設の全景




写真4:石が多用されている施設に止まるイソヒヨドリの雄












2017年12月15日金曜日

コアジサシの屋上コロニー“最強”のカラス対策は ―コアジサシも都市鳥の仲間入りか―

12月9日、東京の大田区民ホール・アプリコで開かれた「2017年リトルターン・プロジェクト コアジサシ講演会」に参加しました。リトルターン・プロジェクト(LTP)の活動の始まりは2001(平成13)年6月に大田区の森ケ崎水再生センター施設の屋上で営巣活動が発見された時から。2011年に同会から発行された『リトルターン・プロジェクト 10年の歩み』によると初めての年の総営巣数は89巣・総孵化数は5羽とのこと。【写真は別の場所で繁殖したコアジサシの幼鳥】
絶滅が心配されているコアジサシが「ビルの屋上で繁殖」とのことで、その保護・存続に活発な活動が続けられ、ここ4年は1000羽以上の孵化数を維持しているようです。今年は密集して営巣したために、カラスによる卵の捕食が少なかったとのこと〔同会発行の『こあじ冊子』Vol.34による〕。
コアジサシの天敵カラスへの対策は難問中の難問。そこで、カラスの専門家・松原 始さんを招いて、「カラスに負けるな!コアジサシ!」というタイトルで講演会が開かれました。
ところで松原さんの講演のタイトルは「カラス屋はカラスに勝てるか」というもので、さまざま対策を施しても、カラスになかなか勝てない現実を語られました。
しかし、講演最後の質疑応答のなかで、フロアーからすばらしい提案がありました。松原さんの話では、対策の最強のものは“営巣地にいつも人がいること”とのこと。それならば、最近はリタイア―して写真を趣味にしている人が多い。そんな方に、撮影がてらに見回ってもらったらという提案で、関係者も検討してみるとの反応でした。
カラスの天敵・人の存在で繁殖が有利になるということになれば正に「ツバメ型繁殖」そのもの。“ビルの屋上で営巣”というだけで都市鳥的なのに、ついにコアジサシも都市鳥の仲間入りをしそうな情勢でした。(川内博)


2017年11月21日火曜日

人を待つハシブトガラス・ちょっとした観察

 11月16日(木)の夕方4時半ごろ、薄暗い新宿中央公園の飲水施設にハシブトガラス(カラス)が1羽、うずくまってじっと止まっているのが目にとまりました。不自然な光景に“なんで?”と思い近づくと、向かいから来た男性が、飲水用の蛇口のハンドルをゆるめて水をだすと、カラスは直接水を飲みはじめました〔写真〕。
 一連の流れから、カラスはその男性が来るのを知っていて、そのカラスと男性は知り合いと思われました。男性にカラスとのかかわりを尋ねたのですが、残念ながら一言二言で足早に去られてしまったので、どんな事情なのか知ることはできませんでした。類似の話がありましたらご紹介ください。(川内博)


2017年10月10日火曜日

日本鳥学会大会のようす2・ポスター発表「イソヒヨドリの内陸部進出」

2年前、兵庫県立大学での日本鳥学会大会時に「自由集会」で旗揚げしたこのテーマ。
ツバメ・カラスにつぐ当会の統一研究課題。今回初めてその成果の一部を発表しました。
タイトルは「イソヒヨドリはなぜ内陸部に進出するのか・第1報」
 期間中の9月16日~17日まで掲示したほか、16日(土)の15時30分~17時の間、コアタイムとして詳しく説明を行いました。多くの方に興味をもって聞いていただき、質問とともに、いろいろな情報の提供もいただきました。
 今回の発表は9枚のプレートで構成。まず、この問題の概要を3枚で、ついで愛知県下での状況・千葉県下での状況をそれぞれ2枚のプレートで発表しました。8枚目には、伊豆野鳥愛好会(静岡県)からご提供をいただいたイソヒヨドリがヒナに持ってくる餌のアップ写真を掲示し、イソヒヨドリの食性の多様さをアピールしました。最後は、「新聞読者から情報70件・・・これからの調査」として、朝日新聞の掲載記事〔本ブログ5月22日付参照〕への関西圏からの情報の多さを紹介し、今後の新たな調査方向を示しました。

 ところで、隣のポスターは「岩礁帯おけるイソヒヨドリの採食生態」という題で、長岡市立科学博物館の鳥居憲親さんが、この鳥のもともとのハビタットでの調査を発表されていました。いろいろな話をうかがい、大変参考になりました。その中で、とくに重要と思ったのは、「ビルなどが建ちならぶ町的な環境でも岩礁地帯でも、その食性にあまり変わらない」という知見でした。



P101
イソヒヨドリはなぜ内陸部に進出するのか・第1

〇川内 博・橋本啓史・越川重治・柴田佳秀(都市鳥研究会)

一昨年、神戸での本大会時に同名の題で自由集会を開いた。イソヒヨドリは磯鵯の名の通り、その繁殖分布を見ると、岩場のある海岸線に限られていて、遠浅の海岸線の東京湾に面する東京や千葉には生息していなかった。しかし現在、東京でも繁殖している。場所は、東京湾から50㎞内陸に入った八王子市内で、この地では2009(平成21)年から記録され、隣接する日野市や多摩市、神奈川の相模原市などへと拡大している。また、東京都心部の渋谷でも定着している。愛知では、1990年前後から徐々に内陸部の市街地での記録が増え、2008年には岡崎市内の民家で繁殖が記録され、2014年には名古屋中心部でも家族群が観察されている。さらに、この鳥は関西圏での定着が目立ち、今年5月に朝日新聞に紹介されたとき、多数情報が寄せられたが、その7割は大阪・兵庫・奈良・京都などからであった。
 世界的な分布を見るとユーラシア大陸の岩場に広く生息していている鳥である。磯に固執していたこの鳥が、なぜ今になって内陸部に進出してきたのかに着目している。現在、「全国鳥類繁殖分布調査」とリンクして全国調査を展開している。



2017年10月1日日曜日

日本鳥学会大会のようす1・自由集会「ムクドリのねぐら問題」

毎年、会として参加している日本鳥学会大会が2017年9月15日(金)~18日(月・祝)に茨城県つくば市で行われました。折から台風18号が接近し、その影響が心配されましたが、とくに大きなトラブルはありませんでした。大会参加者は全国から571名。
 当会関係の発表については、8月25日付本ブログをご覧ください。会としては、ポスター発表で「イソヒヨドリはなぜ内陸部に進出するのか・第1報」を、自由集会で「全国で増える都市のムクドリ塒問題を考える」を開きました。「イソヒヨ」の報告は次回行います。

 自由集会は、9月16日(土)午後6時半~8時半にかけて行い、出席者は40名でした。
 講演は、行政の立場から、その対応について千葉県市川市役所の田中栄一氏、ついで大阪のようすを大阪市立自然史博物館の和田 岳氏、最後に企画者の越川重治氏から千葉を中心とした関東地方の状況と塒形成の要因などについて語られました。〔下記の講演要旨をご覧ください〕。“共存”ということをコンセプトとしていて、参加者からの意見・情報も出され、無事終了しました。
 ただ、30年来の難問で、具体的な解決策までは話が発展しませんでした。また、「質問票」には様々な角度からの考えが記されていましたが、今回は時間がなく対応できませんでした。社会的な問題として、新聞記者も取材にきていましたので、どんな記事になるのか興味を持っているところです。

 ちなみに、来年度の大会は、新潟大学で、9月14日~17日の予定で開かれます。




全国で増える都市のムクドリ塒問題を考える
越川重治・川内博(都市鳥研究会)・和田岳(大阪市立自然史博物館)

 ムクドリは、古くから水田や畑の害虫を食べてくれる鳥として大切にされてきましたが、昨今は都市の駅前の街路樹や電線等に集団で塒をとり、その鳴き声の騒音、糞や羽毛などの衛生面などで社会問題となってきています。住民からの苦情を受けた多くの自治体は、樹木の強剪定・伐採、ネットかけ、爆竹・花火、ディストレスコール、特殊音波、ハリスホーク等による徹底的な追い出しの対策を実施しています。
各自治体は自分のところからいなくなれば、問題は解決したと考えていますが、モグラたたきのようにムクドリは塒場所を変えて、近くの自治体の駅前に新たなねぐらを作って移動しているだけで問題は解決していないのです。はじめは関東地方でこのような都市塒の増加がみられましたが、その後関西地方をはじめ全国で同じような都市塒が増加していきました。ムクドリの都市塒の問題は、自治体の垣根を超えてより広域的に考えていかなければいけない問題なのです。
昨年の自由集会のテーマであったカラスの塒問題と同じく、ムクドリの生態や行動を科学的に調べコントロールしていくことが大切ですが、多くの自治体の対症療法的な対応は逆に塒場所を増やし、人工物への塒の移動等より対応を難しくしているのが実情です。その中でもいくつかの自治体は、専門家の話を聞きながらムクドリ問題に苦悩しながら対応しています。
今回は、関東地方と関西地方のムクドリねぐらの実態と、行政側から問題点をあげてもらい、鳥の専門家のみなさんとその問題点をまとめ、討論により、新たな方向性を見つけ出したいと考えております。


話題提供予定者
越川重治(都市鳥研究会)
「ムクドリの関東地方での都市塒の増加と塒の成立要因」

和田岳(大阪市立自然史博物館)
「大阪府周辺のムクドリの集団塒の状況」

田中榮一(千葉県市川市環境部自然環境課主幹)
「市川市でのムクドリ対策」


総合討論    司会 川内 博 (都市鳥研究会)


2017年8月25日金曜日

今年の日本鳥学会大会・当会および都市鳥に関する発表の紹介

「日本鳥学会2017年度大会プログラム・暫定版 V2」には、当会および都市鳥に関する発表が、下記の5件アップされています。大会は91618日に茨城県つくば市で開かれます。お近くの方はぜひご参加ください。ただし、参加費5,000円が必要です。詳しくは日本鳥学会大会公式HP〔※〕をご覧ください。 ※ http://osj2017.ornithology.jp/

〔口頭発表〕
東京都心におけるウミネコの屋上集団繁殖地の移動
 ○松丸一郎(都市鳥研究会)・富田直樹(山階鳥研)・澤 祐介(バードライフ・インター ナショナル東京)・奴賀俊光(日本野鳥の会)・佐藤達夫(行徳野鳥観察舎友の会)・ 樋口広芳(慶應大・自然科学研究教育センタ ー)

電柱鳥類学:鳥の利用状況 ~都市鳥にとっての止まり木としての電柱の実態把握~
森本 元(山階鳥研)・上野裕介(石川県立大)・三上 修(北海道教育大)

ムクドリの集団塒が都市環境にできる要因の分析ビル壁の存在が重要な条件だった越川重治(都市鳥研究会)

〔ポスター発表〕
イソヒヨドリはなぜ内陸部に進出するのか・第 1
 ○川内 ・橋本啓史・越川重治・柴田佳秀(都市鳥研究会)

〔自由集会〕
全国で増える都市のムクドリ塒問題を考える  〔写真・埼玉県川越駅西口〕
越川重治、 川内博(都市鳥研究会)、 和田岳(大阪市立自然史博物館)


埼玉県川越駅西口のムクドリのねぐら

2017年8月6日日曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・第4報

 昨年7月30日に第3報をのせたこの報告、今年も6月末から調査を始めました。基本的な状況は昨夏と同じで、東武東上線の急行停車駅の朝霞台駅(JR北朝霞駅)・志木駅・ふじみ野駅・川越駅(いずれも埼玉県)に「ムクドリの集団ねぐら」ができていました。
 今夏まず調べたのが池袋からもっとも近い朝霞台駅。昨年と同じ場所に同じ規模でできていました。目算4000羽程度。志木駅も同様でしたが、昨年よりやや少ない感じで2000羽程度。川越駅は、6月29日には4000羽程度が西口に集中し、ロータリー脇のケヤキに多数が止まっていました。しかし8月4日には、昨年までと同様、東口の広告塔やTVアンテナにも集まっていました。
 
 今年一番の変化はふじみ野駅で、ここでは西口のロータリーから延びる大通りの左右のケヤキ並木に5000羽を超える数が集まり、昨年までは市から委託された男性2名が、ディストレスコールでムクドリの追い立てを行っていました。しかし、今年は、駅前から約250mまでの間に、見なれない商品名の「ムクドリ害対策器」〔写真1〕が10台設置され、18時30分からランダムに人工合成音を発していました。その効果は抜群で、ムクドリはまったくと止まっていませんでした。しかも、その音はムクドリ以外には影響がないようで、その近くで多数のスズメがねぐら入りをしていました。 
 ムクドリはというと、残念ながら、その先の機器が設置されていない並木に集まっていました。結局はただ追い出しただけで、問題の根本的な解決とはなっていないようです。効果抜群の“新兵器”の威力がいつまで続くのかは興味のあるところで、7月31日の時点ではその状況は持続されていました。〔写真2〕
 
 ところで、変化としてはもうひとつ。急行が止まらない朝霞駅の東口ロータリーのケヤキにねぐらができたことです。数は3000羽程度。しかし、7月初めに気づいたこのねぐら、26日に再調査をした時には一帯の街路樹が強剪定され、1羽の姿も見かけませんでした。やはり「駅前ムクドリ」にとって“にぎやかさ”がねぐらの必要条件なのか?
〔川内 博〕 


(写真1)



(写真2)

2017年7月22日土曜日

自然教育園の鳥類 1980・1990・2010年代の比較まとまる

当会が東京都心のフィールドとして鳥相の研究している自然教育園〔港区、正式名・国立科学博物館附属自然教育園〕の第5弾の報告がまとまりました。今回のタイトルは「自然教育園における198019902010年代の鳥相とその推移」(自然教育園報告 48号:2546)。
このなかの2010年代のデータは、当会と日本野鳥の会東京で3年間実施した「調査探鳥会」の記録です。1980年代・1990年代のデータは、同園技官・千羽晋示氏と一緒に調査されていた坂本直樹氏の個人データです。同氏は千羽技官の指導のもとに、1980年~1993年までの14年間、ほぼ毎週のように日曜日に、園内でセンサスをされていました。
その全データを当会に提供いただきましたので、今回その一部を利用し、1980年代〔A〕・1990年代〔B〕・2010年代〔C〕の3つの期間での出現鳥種・個体数の比較を行いました。
その結果、①出現鳥種は16種程度であまり変わらない。ただし、その構成種は変化している。②出現個体数は、198090年代はほぼ同じだが、2010年代は、その3割減である〔グラフ〕。③森林性の鳥の増加・草原性の鳥の減少が明らかなどの成果が得られました。

詳しくは、下記の自然教育園のHPにアップされています。




2017年7月12日水曜日

埼玉・JR北朝霞駅前でヒメアツマツバメ

今年も関係する人には“嫌な季節”になってきました。ムクドリが“わざわざ”人通りの多い駅周辺や大型店舗の近く、役所や銀行街の通りなどに多数(数百~数千羽、ときに万単位)集まってねぐら(塒)をつくり、夜を過ごすために、その糞害・鳴声による騒音・換羽による不衛生などで、付近の店主や住人、通行人が不快な思いをするというものです。この問題は30年以上前から表面化していますが、いまだにその解決法はみつからない難問です。

住民や自治体は、さまざまな対策で問題解消を図っていますが、肝心のムクドリの大群は、いろいろな妨害にもめげず、初夏から初冬まで毎晩飛来し、なかなか解決しません。
当初、東京圏で多発し問題化しましたが、今では全国規模に広がっています。
当会では、このムクドリ問題を、今年9月に茨城・つくば市で開かれる日本鳥学会大会で、自由集会として俎上にあげます。〔くわしくはのちほど〕

そんなムクドリのねぐらの一つが埼玉県朝霞市のJR武蔵野線北朝霞駅周辺。ここは東武東上線朝霞台との乗換え駅のため、たくさんの人が行き来します。そこで調査をしていた627日(火)夕方6時半ごろ。ねぐら入りするムクドリやスズメと混じってヒメアマツバメが2羽、飛び交っているのを発見。ヒメアマツバメは1960年代から日本に進入してきた南方系の鳥で、東京では都心の千代田区の高層ビルで自前の巣を造り繁殖し、郊外の八王子市では、イワツバメの古巣をおもに利用して繁殖していますが、この一帯での繁殖は知られていません。

北朝霞駅の高架下には、かつてイワツバメのコロニーがありましたので、それを利用して繁殖したと思われます〔写真〕。この鳥の営巣地はコンクリート造りの建造物ですので、都市鳥として研究対象種です。これから本格調査ですが、同じような環境はたくさんありますので、近くで営巣地をご存知の方はぜひお知らせください。 〔川内


2017年6月23日金曜日

伊豆諸島と伊豆半島のイソヒヨドリの現状

5月末から6月初めにかけて、伊豆諸島の神津島と伊豆半島のイソヒヨドリの現況を見る機会がありました。2か所の共通点は、イソヒヨドリが昔から生息していた場所。イソヒヨドリの「内陸部進出」を調べていると“これまでの生息地は今どうなっている?”という質問をよくされます。神津島は以前からふつうに生息し、また、伊豆半島は本州の太平洋側では名所として知られている場所です。
今回、神津島のようすは東京都鳥類繁殖分布調査の一環で把握することができました。また、伊豆半島については、以前から会報をいただいている関係から、地元の「伊豆野鳥愛好会」の方に車でご案内をいただき、状況を知ることができました。どちらも、いろいろな場所で、イソヒヨドリの姿を確認できました〔写真・巣に餌を運ぶ雄のイソヒヨドリ〕。
しかし、神津島では、かつては海岸線にしかいなかったのが、島の中央にそびえる天上山(標高572m)の山頂でも見られるようになったのは古いことではないとのことでした。また、伊豆半島では、以前から道路沿いの人家に生息するのは見られていたのが、駅など目立つところでも営巣するようになったのはここ数年来とのことです。
とりあえず、旧来の生息地は元気なようです。そして、生息分布を拡大しているようです。以前からイソヒヨドリが生息している場所の現状も、ぜひお知らせください。(川内


2017年5月30日火曜日

ツイッターで内陸イソヒヨドリの情報収集

海から10kmという条件で、ツイッターを利用して内陸部でのイソヒヨドリの観察例を呼びかけたところ、1週間でほぼ全国から170例の報告が集まりました。まだ、これからも報告がくるところですが、いまのところ結果を眺めてみると、奈良、京都、神奈川の観察例が多く、全体的には関東以西に集中しているようです。東北は仙台での繁殖を含めた観察事例はありますが、全体的に少なく、北海道にもあまり進出していないようです。しかし、南が多いのかと思いきや、四国や九州からはあまり報告ないのも興味深い点です。内陸部に都市が発展していないということもあるかもしれません。
現在、報告がない都道府県は、青森、香川、徳島、高知、宮崎、鹿児島、長崎、沖縄です。ただ、長崎と沖縄は海から10kmの条件は厳しいそうなので今回は除外します。
それにしてもSNSの情報収集能力の高さには改めて驚きました。これからは駅や商業施設などのキーを整理して解析に取り組みたいと思います。(柴田佳秀)