2016年4月5~7日に、イギリス・レスター大学で開催された「URBAN
BIRDS: Pressures, Processes and Consequences」をテーマにしたイギリス鳥学会年次大会(BOU2016)に参加して、たいへん刺激を受けて来きました。
イギリス鳥学会の年次大会(春)・研究集会(秋)は、日本鳥学会大会とは異なり、毎回テーマが決まっており、テーマに沿った発表しかありません。発表のない研究者も年次大会に参加していましたが、大会中に総会もあったものの、参加者は120名程度と日本鳥学会大会に比べると少なかったのが印象的でした(ちなみに2015年末時点の学会員数は1,194名で日本鳥学会と同規模)。しかし、1つの口頭発表会場で皆が全ての講演を聞き、三度の食事も食堂で皆一堂に会するアットホームな雰囲気でした。なお、イギリス国外からの参加者が4割程度あり、全ての大陸(南極大陸を除く)から参加者がある、国際的に注目される会議になったと主催者発表がありました。アジアからはシンガポール2名(?)と私(日本)のおそらく計3名だと思われます。
口頭発表は28件、トーキング・ポスターが6件、ポスター発表が24件でした。プレナリー講演は、アメリカから招待されたカラス研究でも有名なワシントン大学のProf.
John Marzluff氏でした。私は名古屋におけるコゲラとキビタキの都市緑地への進出についてポスター発表をしてきました。詳細は近く『都市鳥ニュース』で報告したいと思っていますが、端的に言えば、都市の鳥類に関して適応行動だけでなく生理学・遺伝学の面からの研究も進んできているということと、特に都市では市民を巻き込んだ調査(アメリカではNeighborhood Nestwatch,イギリスではBTOの行うGarden BirdWatchなど)が成果を上げているということを強く感じました。
〔写真1〕口頭発表会場の様子。
ちなみに右端がオックスフォード大学EGI名誉研究員であるProf. Chris Perrins 氏で、
大会中に Union Medal が授与された。
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〔写真2〕発表会場となったレスター大学オードビー・キャンパスにある スタンフォード・コート。 |