2026年5月31日日曜日

ハシブトガラスの巣の下にスズメの巣

ちょうど今の季節は鳥たちの繁殖期の真っ最中です。先日、近くの店まで買い物に行こうと歩いていると、電柱に営巣するハシブトガラスを発見しました。この道の電柱には過去にハシボソガラスが営巣し、繁殖に成功したことがありますが、ハシブトガラスは今回が初めてです。

ハシブトガラスが電柱に営巣するときは、写真のようにトランスの下の隙間に巣を作るのが特徴です。おそらく上から巣の中が見えないようにしているのだと思われます。

トランスの下にあったハシブトガラスの巣

巣材はハンガーや小枝でした。ハンガーは針金製だけでなく、樹脂製のものも見られたことから、どうやらカラスは針金という素材そのものよりも、ハンガーの形状に心を惹かれているのではないでしょうか。

そんな電柱営巣中のハシブトガラスを観察しているときのことでした。この巣の下にある白いボックスに何かが入るのが見えました。さらに詳しく観察すると、それはなんとスズメでした。

白いボックスの中にスズメの巣がある

都市のスズメはこのような電柱の部材に営巣する習性があり、とくに珍しいことではありません。しかし今回はハシブトガラスの巣の真下です。ハシブトガラスはスズメにとって恐ろしい捕食者ですから、こんな近くに営巣するなんて火の中に飛び込むようなものです。それでもスズメはまったく気にしていない様子で、ボックスを出入りし、おそらくヒナに給餌していました。

このことに気づいてから1週間後、再び様子を観察しに行きましたが、ハシブトガラスもスズメも特に変わった様子はなく、繁殖活動を続けていました。

巣に入るスズメの親鳥

これまでにも、スズメが捕食者であるオオタカやサシバ、オジロワシの巣に営巣した事例は知られています。これはスズメがタカやワシをガードマン代わりに利用しているという説がありますが、今回もそんな例と同じなのでしょうか。

それとも、スズメのヒナが外に出た途端、ハシブトガラスに捕食されてしまうのでしょうか。しかし、その瞬間を目撃するには、ずっと張り込むか自動撮影装置を設置するしか方法がありません。今回はさすがにそこまではできないため、とにかく頻繁に確認しようと思っています。(柴田佳秀)

2026年5月17日日曜日

埼玉県戸田市・彩湖で越冬したカリガネ

 環境省のレッドリストで「EN(絶滅危惧種)」とされているカリガネ1羽が、埼玉県戸田市の彩湖の岸辺で越冬しました。昨年113日に月1回の同地定期調査時に、彩湖のほとりに20人以上の人だかり。みんなの目やカメラの先には1羽のガンが悠々と生い茂るイネ科の草の先をついばんでいました。嘴の根元の白斑がまだ小さいカリガネの幼鳥でした【写真1・2025113日撮影】。まわりではオオバンたちがさかんに採餌をしていました。カリガネは集まった人を警戒するそぶりもなく、さかんに採餌を続けていました。


【写真1
 

 その後も毎月継続観察をしたところ、いる場所はいつも同じで、カメラを向けられて警戒することなく、また人が数メートルまで近づいても逃げず、“餌付け”でもされているのかと、周囲にいる人に聞いてもそのような行為は見ていないとのこと。

結局、11月・12月・1月・2月・4月にこの鳥を確認し、専門家からの依頼があった「幼鳥の白斑の変化のようす」を継続的に写真に収めることができました。【写真2・2026221日撮影】

【写真2】


 それにしても、同じ場所に半年いて、➀餌が確保できたことと、➁警戒するようなそぶりはなかったことに興味を持ちました。➀については今後植物の専門家の意見を聞く予定です。➁については、野鳥にたいしての“マナー”が少し良くなったのではないかと思いました。5月初めに訪れたときは、近くにいたキンクロハジロの群れもいなくなっていて、彼らとともに北の国へと飛び立ったと思われます。〔川内 博〕