2021年8月1日日曜日

様変わりした東京の“ドバト事情”

  街なかの鳥「ドバト」にどんなイメージをお持ちでしょうか。かつては“かわいい・愛すべき隣人・平和の象徴”とプラスイメージだったこの鳥も、近年は“気持ち悪い・糞が汚い・病原菌を媒介するのでは”などのマイナスイメージが強くなり、「ハト公害」として嫌われることが多くなりました。

  実際、東京のお寺や神社の境内、駅前の広場、街なかの小公園などから給餌する人は激減しています。かつては2000羽を数えた浅草・浅草寺の境内では、今は50羽程度しか見かけません。また、最近は、渋谷や池袋などの駅前や公園でも、20羽もいれば“いた!”と思うほどの状況です。逆に目立ちだしたのが、公園の林の下や道端の雑草の間などで「採餌」をするドバトたちです。

 公園の林床や川の土手などで餌をついばむ姿は、“野生生物”です。大きな群れでいることは少なく、数羽~10羽程度で、キジバトと混じっていることもよくあります。

 ここ数年来の夏に目につくのは、道路ののり面や土手などで、大規模な草刈り後に、群れで採餌している姿です【写真】。

 東京の市街地では、今世紀に入って、人による給餌が減っているうえに、ドバトを主食とするオオタカが増えています。かつて街を“天国”としていたドバトたちは、“野鳥”として生きていくのでしょうか。〔都市鳥研究会・川内 博〕