当会の研究誌『URBAN BIRDS』Vol.38号(2021年刊)の巻頭言執筆者の山部直喜氏から、埼玉県越谷市での「カラスの集団塒の個体数調査」実施の知らせがありました。越谷市は県の南東部に位置する人口34万人の中核市で、天然記念物「越ケ谷のシラコバト」としても知られている町です。
この地では,2001年から市内の「武蔵国越谷郷・久伊豆神社」を中心に、毎冬カラスの集団塒の個体数調査が実施されていて、2018年までに15回を数えています(2014年からは隔年に変更)。これまでの調査によれば、最少3,607羽(2007年)~最大6,791羽(2013年)をカウントしたとのことです。
コロナ禍のため延期していた調査をこの冬実施したところ、全体的には明らかな「減少」がみられたとの速報が山部氏から寄せられました。詳しくは分析中とのことで正式な発表を待ちたいと思いますが、興味あるのはその種構成で、ハシブトガラス・ハシボソガラスに加えて、ミヤマガラスとコクマルガラスの4種とのこと。ミヤマガラスは2012年に200羽が加わり、コクマルガラスはその翌年から仲間入りをしたとのこと。最近はミヤマガラスの増加が著しいとのことです。【写真:久伊豆神社のミヤマガラス(上)・コクマルガラス(下)川内博氏撮影】
この冬、ミヤマガラスが、これまで「未記録地」だった東京にも現れたとの第一報が寄せられています。今後、ハシブトガラスの天下だった東京にも“新しい風”が吹くのか、興味あるところです。〔都市鳥研究会事務局〕
ミヤマガラス |
コクマルガラス |