2025年2月21日金曜日

「科博の「鳥・特別展」3日後に終了

開催期間はまだたっぷりあると思っているうちに、2月24日の終了日まであと1週間という2月18日、東京・上野の国立科学博物館で開催されている「特別展・鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統」をみにいきました。

まず驚いたことは、チケットを買うのに10分並んだこと。会場内もごった返すほどの人の波。客層は老若男女、小さな子どもも混じっていました。みなさん熱心に展示されている“鳥の群れ”を見ていました。会場内の係員に“いつもこんなに人がいるの?”と聞いたところ、ここのところとのこと。皆さん私と同じで、“まだ時間的な余裕がある!”と後回しにしていたようです。

キャッチフレーズは「新しい鳥類の系統」ということで、会場いっぱいに新系統樹にそって本剥製が展示されていていました。羽の色や姿かたちのさまざまを目のあたりにでき、その多様性をあらためて知ることができました。

そんな中で、「オガサワラカワラヒワ」が仮剥製のまま、何の説明もなく置かれていました。通りすがりの年配のご夫婦が“なんであの鳥だけがよこたわっている?”と不思議がっていました。会場内、動画以外は撮影OKでしたので、その寝姿をパチリ【写真・上】。

初めて見るもののなかで、天井から吊り下げられている「ペラゴルニス・サンデルシ」の復元モデルは一見の価値あり。飛ぶ鳥としては史上最大で、嘴にトゲ状の突起がある「骨質歯鳥類」とのこと。迫力ある姿に見入りました。【写真・下】

約2時間、全展示物を見てまわりましたが、そのボリュームは一見の価値あり! 混雑の中、音声ガイド(有料)は役立ちました。2月24日(月・日)が最終日。まだの方は混雑覚悟でお出かけください。

オガサワラカワラヒワ

ペラゴルニス・サンデルシ


2025年1月19日日曜日

都市の変化に翻弄される都会の鳥たち

私の都市鳥観察のメインフィールドの一つは千葉県柏市にあるJR柏駅周辺です。たいてい毎日、買い物で利用するのですが、そのついでに鳥を見ています。
駅近くにはイトーヨーカドーがあって、その壁面にある排気口でチョウゲンボウが繁殖しており、毎年、ヒナが巣立つのを楽しみにしていました。

イトーヨーカドー柏店の排気口にいるチョウゲンボウのヒナ

ところが昨年10月、このイトーヨーカドーが閉店してしまい、築50年以上のこのビルが今後どうなるのかわかっていません。おそらく取り壊すことになると思いますが、そうなるとこのチョウゲンボウの動向が気になります。新しい営巣場所を見つけて棲み続けるのか、それとも姿を消してしまうのか。

また、駅に隣接するデパート「そごう柏店」には、冬期を中心にハヤブサがとまっていることがあり、それを観察するのも楽しみでした。

展望レストランの梁にとまるハヤブサ

このデパートには特徴的な展望レストランがあり、その下がハヤブサのお気に入りとまりばで、ハヤブサ特有の下にたれる糞がたくさん建物のひさしについていることから、そうとう頻繁に利用していることがうかがえます。

青いひさしには無数の糞が

また、2022年の春にはオスとメスのペアが滞在していたので、もしかしたら繁殖?と期待したのですが、確認には至りませんでした。
そのそごうも2016年に経営不振で閉店。2024年まで取り壊されずに残っていたのですが、現在は解体工事の進められています。その結果、現在、ハヤブサの姿はありません。

チョウゲンボウやハヤブサは、都市環境に新たな生息地を見いだし、アーバンライフをするようになりました。しかし、都市は人の都合で変化するものでもあります。彼らはこれからどうするのかその動向を見つめていきたいと思っています。(柴田佳秀)