11月下旬、都内で「都市に棲む鳥の害」に関した話をする機会がありました。美しく囀る幸福の青い鳥が“なぜ害鳥に”と思われる方が多いでしょう。その話は本ブログの2023年11月23日付で紹介した「マンションの屋上で、毎日大声で鳴く声でノイローゼになりそうだが何とかならないか」という当会への相談がもととなっています。メールされた方はイソヒヨドリの新名所・東京都八王子市にお住いの方ですが、いまのところ解決策がない難問です。
当日お話をした後、会場で関係者の方からイソヒヨドリの近況について興味深い話を聞きしました。その場所は神奈川県大磯の海岸線から約600mの住宅地で、もっとも近い岩礁地帯からは約1.5㎞の場所。その内容は“近隣の3軒の新築の屋根だけ”でイソヒヨドリが止まって鳴くとのことでした。
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| 写真1 |
写真1の2軒はご自宅の前に建つ家屋で、寄棟屋根や切妻屋根ではなく、箱型の構造のツインモノコック構造で、屋根は「片流れ屋根」。
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| 写真2 |
写真2は自宅斜め前のお宅で(構造は不明)、こちらの屋根も「片流れ屋根」で、屋根の角(右側の一番高くなっている場所)でさえずっていたとのこと。なんだか平面の屋根が好きなような気がしますが、日ごろ気をつけて観察しているわけではないので、これからは周辺を歩くときには心がけて見てみますとのこと。
いずれの家屋でもさえずりが聞こえるときは、必ず、屋根の端で鳴いています(必ずしも写真2に示したようなコーナーであるとは限りません。写真1のお宅では屋根の端の中央部で鳴いていることもよくあります)が、これは自分の家から見やすいということもあるのかもしれないとのことでした。
“磯にいる鵯のような鳥”が全国的に内陸に進出し、身近な場所でも見られています。どんな場所で繁殖しているのか・周りの鳥たちにどんな影響があるのか、ぜひ観察記録をお寄せください。(都市鳥研究会・川内)

