先日、自宅で窓を開けて仕事をしていたら、外から聞き覚えのある鳥の囀りが聞こえてきました。イソヒヨドリの声です。自宅は千葉県北西部の住宅地にあるマンションなのですが、3年ほど前から10月になると、決まってイソヒヨドリがあらわれるようになりました。たいていは1羽ですが、同時に3羽のオスが鉢合わせしたこともあります。このときは、1羽が背中をふくらませ、頭を低くして威嚇のようなポーズをつくり、もう1羽は小声で囀っていました。
また、秋にあらわれるのはオスばかりではなく、メスも姿を見せます。そして、雌雄共に成鳥で幼鳥や若鳥は姿をみせません。これまでも9月から11月にかけて、思いがけない場所でイソヒヨドリを目撃したこともあるので、この時期が彼らにとって移動シーズンであるのは間違いなさそうです。ただ、若鳥ならば新天地を求めて移動するのはわかりますが、成鳥がなぜ移動するのか、いまひとつ理由がわかりません。近所の繁殖地では、繁殖が終わると鳥の姿がなくなるので、こういった鳥が冬の生活の場を求めて移動している可能性もあります。
我が家に立ち寄るイソヒヨドリは、翌日にはいなくなるので一時利用なのでしょう。当地は戸建てやマンションがびっしりと建ち並ぶ住宅街なので、暮らす条件が整っていないのでしょうか。もし、定着して繁殖してくれれば、イソヒヨドリの研究が進むのですが、そううまくいかないようです。(柴田佳秀)
背中をふくらませたオス |