5月末から6月初めにかけて、伊豆諸島の神津島と伊豆半島のイソヒヨドリの現況を見る機会がありました。2か所の共通点は、イソヒヨドリが昔から生息していた場所。イソヒヨドリの「内陸部進出」を調べていると“これまでの生息地は今どうなっている?”という質問をよくされます。神津島は以前からふつうに生息し、また、伊豆半島は本州の太平洋側では名所として知られている場所です。
今回、神津島のようすは東京都鳥類繁殖分布調査の一環で把握することができました。また、伊豆半島については、以前から会報をいただいている関係から、地元の「伊豆野鳥愛好会」の方に車でご案内をいただき、状況を知ることができました。どちらも、いろいろな場所で、イソヒヨドリの姿を確認できました〔写真・巣に餌を運ぶ雄のイソヒヨドリ〕。
しかし、神津島では、かつては海岸線にしかいなかったのが、島の中央にそびえる天上山(標高572m)の山頂でも見られるようになったのは古いことではないとのことでした。また、伊豆半島では、以前から道路沿いの人家に生息するのは見られていたのが、駅など目立つところでも営巣するようになったのはここ数年来とのことです。
とりあえず、旧来の生息地は元気なようです。そして、生息分布を拡大しているようです。以前からイソヒヨドリが生息している場所の現状も、ぜひお知らせください。(川内 博 )