今年も関係する人には“嫌な季節”になってきました。ムクドリが“わざわざ”人通りの多い駅周辺や大型店舗の近く、役所や銀行街の通りなどに多数(数百~数千羽、ときに万単位)集まってねぐら(塒)をつくり、夜を過ごすために、その糞害・鳴声による騒音・換羽による不衛生などで、付近の店主や住人、通行人が不快な思いをするというものです。この問題は30年以上前から表面化していますが、いまだにその解決法はみつからない難問です。
住民や自治体は、さまざまな対策で問題解消を図っていますが、肝心のムクドリの大群は、いろいろな妨害にもめげず、初夏から初冬まで毎晩飛来し、なかなか解決しません。
当初、東京圏で多発し問題化しましたが、今では全国規模に広がっています。
当会では、このムクドリ問題を、今年9月に茨城・つくば市で開かれる日本鳥学会大会で、自由集会として俎上にあげます。〔くわしくはのちほど〕
そんなムクドリのねぐらの一つが埼玉県朝霞市のJR武蔵野線北朝霞駅周辺。ここは東武東上線朝霞台との乗換え駅のため、たくさんの人が行き来します。そこで調査をしていた6月27日(火)夕方6時半ごろ。ねぐら入りするムクドリやスズメと混じってヒメアマツバメが2羽、飛び交っているのを発見。ヒメアマツバメは1960年代から日本に進入してきた南方系の鳥で、東京では都心の千代田区の高層ビルで自前の巣を造り繁殖し、郊外の八王子市では、イワツバメの古巣をおもに利用して繁殖していますが、この一帯での繁殖は知られていません。
北朝霞駅の高架下には、かつてイワツバメのコロニーがありましたので、それを利用して繁殖したと思われます〔写真〕。この鳥の営巣地はコンクリート造りの建造物ですので、都市鳥として研究対象種です。これから本格調査ですが、同じような環境はたくさんありますので、近くで営巣地をご存知の方はぜひお知らせください。
〔川内
博
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