都市鳥研究会・バードリサーチ・日本野鳥の会東京という東京圏の3つの団体共催で開かた講演会「東京の鳥を調べてみたら・・・最近の野鳥事情」は12月1日(日)に、54名の参加のもとにぶじ終了しました。3つの講演はそれぞれに特徴があり、興味深いものでした。バードリサーチからは、現在進行中の「東京都鳥類繁殖分布調査」について、日本野鳥の会東京からは、昨年完成した同会が実施している10か所の月例探鳥会のデータをもとにした「オオタカの都心部への進出」、そして当会からは、「イソヒヨドリの内陸部生息拡大」についてと、三者三様の切り口で、“東京の野鳥たちの今”が語られました。
「東京都鳥類繁殖分布調査」は、同時進行中の全国鳥類繁殖分布調査と同じように20年ごとに実施されている野鳥の“住民調査”。増えている鳥・減っている鳥が一目瞭然のメッシュ地図として披露されました。来年2020年が調査最終年。皆さんで協力して「完成」の祝杯をあげたいところです。
「オオタカの都心部への進出」は、1995年度~2014年度までの20年間でのデータをもとに、オオタカがどのような経緯で都心部まで進出してきたかを科学的に分析したもので、「林縁長」という聞きなれない要素との相関関係が指摘されました。
「イソヒヨドリの内陸部生息拡大」は当会が力を入れている問題で、今回は東京の状況についての報告でした【図 東京都におけるイソヒヨドリの繁殖期分布の変遷図・バードリサーチ提供】。その中で、現在、都内では八王子市一帯がそのおもな生息地として知られていますが、JR中央線沿線上に広がっているのではということで、武蔵境駅周辺での状況がくわしく語られました。
各講演は40分という短い時間でしたが、午前11時からの2時間で、最近の東京の鳥のようすの一端を知ることができる貴重な内容でした。
これからも、この会場〔東京・阿佐ヶ谷〕で、野鳥や都市鳥の生態に興味ある方の集まりを続けていきたいと思っています。末尾ながら講師の方々と会場のご提供をいただいた(株)細田工務店様に感謝いたします。