2020年8月10日月曜日

今年の「東京駅を中心とした3㎞四方」のツバメ事情

   “オリンピック”で沸き立っているはずが、おもいもよらない“コロナ禍”の時代となり、今春予定していた5年ごと・8回目の「東京駅を中心とした3㎞四方のツバメの繁殖状況」調査は自粛し、来春行うこととなりました。そこで、コロナ禍事情が小康を示していた7月中に、調査地の状況を視察してきました。

  見て来た場所は、前回(2015年)に繁殖が記録された19ヶ所で、建物自体の取り壊し・新ビル建設が3か所。巣番号No.9の「第5中央ビル」は建替えられてホテルに、No.44の「徳山別館」と隣接していたNo.68の「日石エネオス」の敷地には超高層ビルが建設中。No.92のアパートは空き地に。逆に営巣が確認できたのは、No.4の「帝都自動車」、No.29の「松屋銀座東館」、No.85の「ファミール日本橋」など6か所。

  なかでも印象的だったのがNo.82の「メゾン平和田」。築地本願寺近くの住宅地にある5階建ての小規模のマンション【写真1】。1階の駐車場に“いつものカラス・バリケードがない!”【写真2・2015年6月撮影】 さては繁殖しなくなったのかと思いながら路地に立つと、1羽のツバメが駐車場に飛び込み抱卵【写真3】。前回調査時には、ゴルフ用のネットなどで厳重に守られていた巣の周りはすっきり。“カラス害”がなくなった証拠と思われます。

  来春、期待通り「ツバメ調査」ができるかどうかは、現時点では何ともいえない状況ですが、とりあえずは大きな“異変”はないようです。 〔川内 博〕


写真1:10年以上営巣しているマンション



写真2:前回まではゴルフ用ネットで守られていた


写真3:今回はバリケードなしで繁殖中