2020年8月31日月曜日

東武東上線沿線のムクドリの「駅前ねぐら」・第6報

  同じタイトルの前報は、2018年11月28日付でアップしています。昨年は報告を失念したようですので、今回2019年の分も含めてお伝えします。この間、各駅の状況はめまぐるしく変わりましたのでいずれも概略となります。

  朝霞台駅(隣接するJR武蔵野線北朝霞駅との乗換客が多い)は、急行電車停車駅で、以前から定住ねぐら地のひとつでしたが、2018年に動きがあり(鷹匠導入?)、2019年は7月30日に約1000羽のねぐらを認めた後、冬場も含めて飛来が確認できませんでした。今年は7月27日に鷹匠によって追払いが行われたとのこと(朝日新聞デジタル・8月6日付による)。今年はそれまで所用で行く機会がなかったのですが、8月25日夕方に出向いたところ、東口広場で計200羽程度のねぐら入りを観察しました。

  同日隣駅の急行停車駅・志木駅の状況も見てきました。2019年8月29日に東口で約3500羽のねぐら入りを認め、2020年2月13日には約3000羽の越冬ねぐらを確認しました。29日には、まず東口に降り立ちました。街の状況は昨年とほとんど変わりありませんでしたが、どこにもその姿はなく、糞跡などのねぐらの形跡もありませんでした。その代わりに、駅舎の反対側の南口の駅前広場の電線や電柱に約200羽の群れを認めました。この駅では東口で何らかの対策がとられると、南口に移動することは何度もありましたので、今回もムクドリの嫌がるようなことがあったと思われます。

  翌8月27日には、志木駅の次の急行電車停車駅のふじみ野駅を探査しました。この駅の西口から続くケヤキの並木の通りは、川越に次ぐ大ねぐら地でしたが、2019年8月5日に訪れたときは、駅の西口にも東口にも1羽もいず、その後何度訪れてもムクドリの鳴声は聞こえませんでした。今回、スズメの群れに導かれて、駅前通りをさらに進むとスズメとムクドリの大合唱が聞こえてきました。駅から約1㎞西に行った、川越街道〔国道254線〕との交差点でした。ねぐら入りをはじめから見ていませんでしたが、ムクドリの数は5000羽を超えていると思われました。

 その翌日8月28日には、川越市駅で降り、西武新宿線本川越駅を訪れてみました。本川越駅は、東上線・JR川越線の川越駅から約1㎞離れていますが、毎年大きなねぐらをつくる場所ですのでチェックしたところ、駅の周りには5000羽をはるかに超えると思われる数が群れて大騒ぎをしていました〔写真〕。その後、川越駅に行くと、東口も西口もシーンとして糞跡もほとんどない状態で、とりあえず、この時点までは川越のムクドリは本川越に集結しているようでした。次回の調査時にどうなっているかは予測不能。


「ムクドリのねぐら問題」は、全国化して30年以上たちますが、今のところ具体的な解決策はなく、“こちらで追払えば、向こうの街が困る”という「イタチごっこ」状態が続いています。人とムクドリが「共存」できる街づくりが望まれます。 〔川内 博〕