コロナ禍のなか、ここのところ近場で都市鳥の状況をチェックしています。
そんななかで、毎年、何番いものスズメが営巣していたコンクリート壁の水抜き孔【写真1】に、真新しい金網が被せられていました【写真2】。
しかも人の手の届かいない位置のいくつもの孔に。たぶん、コンクリート壁の向かい側の新興住宅の住民が、市に働きかけ、孔を塞いだと思われます【写真3】。
というのは、繁殖期には、ここで営巣していた5番いくらいのスズメ夫婦の声でも、うるさく響き渡っていたからです。[情報提供は川内 博氏・埼玉県和光市内にて撮影]
鳥類による人工構造物への営巣:日本における事例とその展望」という読み応えのある総説が、一昨年の日本鳥学会の和文誌『日本鳥学会誌』〔68(1):1-18(2019)〕に載せられています。
著者は当会会員でもある三上 修氏。日本や世界の状況を知ることができ、触発される内容となっています。当会の会誌からの情報も多数使われています。
一つひとつは小さな観察や調査でも、データが集まれば、何らかの意義が生まれるという典型で、今後も人や社会と関わり合って生きる「都市鳥」の動向を記録し続けていきたいと思います。〔都市鳥研究会・事務局〕
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