JR青梅駅は「東京・奥多摩」の玄関口。東京湾からは約60㎞内陸に入り、標高は200m。東京都青梅市は人口約13万人、奥多摩地域の中心地で、かつては綿織物や林業がさかんで、今でも「業務核都市」となっています。
とはいえ、“山麓”の町で“海”とは縁遠い場所です。日本野鳥の会奥多摩支部の幹事をされている荒井悦子さんのご案内で、駅前の営巣地を歩きました。駅前商店街は年季の入った店が並んでいて、かつて栄えた町に多い“蔵”が各所にありました。荒井さんによると、蔵の屋根の隙間を利用する例が多いとか。また、マンションの利用も目立つとのこと。
街を歩きながら、この店で営巣している可能性がある、あそこのマンションでは例年巣立ちビナが見られるなどと説明を受けて歩いているとマンションの屋根の屋上で囀る雄が、しばらくすると雌が姿を現すといったことが次々と続き、約1時間、駅から500m圏内で雌雄の姿【写真1】を見かけたのが4か所。圧巻は駅前のビルの窓の庇の裏側に入っていく2羽を確認【写真2】。
“東京のイソヒヨドリのメッカ・八王子市”でも、こんな密度では生息していないレベル。八王子・青梅とも、従来の“磯ひよどり”からは想像もつかない状況です。しかも、今のところその変化の理由はわかっていません。しかし、彼らが全国的に「内陸部に進出」していることは事実で、その謎解きは必須の状況です。〔都市鳥研究会・川内〕
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