2022年11月1日火曜日

千葉県・柏駅周辺のハクセキレイのねぐら

JR常磐線の柏駅は千葉県柏市にあり、1日の平均乗降者数25万人。JR東日本の各駅停車駅の駅別乗降者数ランキングでは27位の大きな駅です。その駅の東西には百貨店や商店が並ぶ繁華街があり、その道路にはマテバシイなどの街路樹が植えられ、ハクセキレイのねぐらがあります。

柏駅前のハクセキレイのねぐらは1981年から確認されていて、最大1200羽ほどがねぐらをとっていたと記録があります。その当時のねぐらは銀行のビルにあり、窓枠にずらっと丸見え状態で並んでいたといいます。その後、銀行ビルは駅前開発によって姿を消してしまいましたが、ハクセキレイのねぐらは消滅せずに現在は街路樹に移って健在です。

興味深いのは、普通、繁華街にあるハクセキレイのねぐらは、秋から冬にかけて作られることが多いのですが、ここでは一年中存在することです。それは銀行にねぐらがあった時代から変わっていないようで、当地がよほど良い条件のねぐらであることがうかがい知れます。

当然のことながら地元ではあまり歓迎されていないようで、追い払うためか、ときどき街路樹が強剪定されます。しかし、東口が剪定されれば西口へ、西口が剪定されれば東口へと移動するため、ねぐらが消滅することはありません。手の届くような高さの枝にとまって寝ているのですが、ほとんど気がつく人がいないので問題ないようです。ただ、ねぐら入りのときは大騒ぎで乱舞するので、そのときばかりは何事かと歩みを止めて見入る人の姿があります。

1年を通してねぐらは街路樹にありますが、厳冬期になるとパチンコ屋のビルの上にもねぐらが広がります。この場所でのカウントでは最大400羽を数えていますので、厳冬期に個体数が増えると街路樹だけでは収容能力が足らなくなり、はみ出すのではないかと考えています。今後、このねぐらがどのように変化するのか注意深く観察を続けるつもりです。(柴田佳秀)

ハクセキレイが寝る街路樹。高さは低い。

マテバシイの枝にとまって眠る

厳冬期はビルのアンテナや電線も利用する