2023年8月18日金曜日

キジバトはアレチウリの“天敵”

 アレチウリは北アメリカ原産ウリ科の一年生草本で、生育速度が非常に速いつる性植物で1株当たり400~500個の種子をつけますが、25,000個以上との報告もあります。種子には休眠性があるので土壌シードバンクを形成し、全国の河川敷等で大繁茂し在来種が影響を受け一部では他の植物がほとんど生育できなくなっている場所もあり、特定外来生物に指定されています(環境省)。鳥類への影響も出ており、東京でも多摩川などのツバメのねぐら場所であるヨシ原にアレチウリが大繁茂し、ツバメがねぐらをとれなくなる例も増えており、関係団体がヨシ原保全のために駆除作業を行っています。  

 アレチウリは外来種なので、今のところ有力な“天敵”見つかっていませんでした。2021年10月11日、水元公園(東京都葛飾区)の水辺ゾーンに繁茂するアレチウリの果実を、地上で2羽のキジバトが盛んに突いているのを目撃しました。近づいて観察すると枯れた果実の中から種子を出して盛んに食べていました。【写真】 人が近づくまでの約8分で20~30個の種子を食べていたと思われます。今までアレチウリの実を食べる動物は見つかっていませんでしたので、キジバトは有力な“天敵”であることがわかりました。〔越川重治〕