2023年8月3日木曜日

ムクドリを数えてみました

 千葉県柏市のつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前には、2005年の開業からしばらくして、とつぜんムクドリの大規模なねぐらができて問題になっています。

ここはビルに囲まれるように駅前ロータリーにケヤキなどの樹木が植栽してあり、ムクドリがねぐらをつくる良い条件が整っています。ねぐらに集まるのは非繁殖個体で、繁殖期が終わる7月はじめには、その年に生まれた幼鳥も群れに加入して、個体数が多くなります。そして、夏から秋にかけてが最大規模になります。

柏の葉キャンパス駅前のケヤキ

先日7月4日、私はここにどのくらいの数の鳥が集まってくるのだろうと思い、調査してみました。ムクドリは日没寸前になると次から次へと群れが飛来し、めまぐるしく出入りするので正確な個体数を知るのはかなり難しいことです。そこで、大きな群れが1枚の写真に写るように撮影し、家に帰ってからパソコンで拡大しながら、1羽1羽印をつけカウントを試みました。写真を拡大して見ると鳥は意外と重なっておらず、かなり正確に数えることができそうです。その結果、4,518羽が写っていました。この写真には写っていない個体もいるので、おそらくこのときは約5,000羽がいると推定されました。

カウントした写真。4,518羽が写っていました

調査をしていて感じたのは、鳴き声による騒音もかなりの音量であり、また糞の臭いもかなりのもので、これはやはりなんらかの対策をしなくてはいけないなということです。

この場所では過去に、猛禽類の声や鳥が嫌がる音を流したり、さまざまな対策が講じられたそうですが、未だに解決には至っていません。また、天敵である猛禽類が駅前にはいないから、ねぐらができるという説がありますが、興味深いことにこのムクドリを狙ってハヤブサが飛来して捕食することがあり、どうも天敵説はあてはまらないように感じています。いったい何がムクドリを引きつけているのか、さらに調べる必要がありそうです。(柴田佳秀)

飛来するハヤブサ