2020年11月27日金曜日

難問「ムクドリの集団ねぐら」との共存!

   当会の広報誌『都市鳥ニュース・No.28』(2020年6月刊)では、「ムクドリの集団ねぐらの実態・1」を特集しました。社会問題化したこの問題の首都圏での現状ということで、ムクドリの都市塒の問題を千葉県の塒で考える(越川重治)、送電塔に集団ねぐらを形成するムクドリ(鈴木弘行)、埼玉・東武東上線志木駅の「駅前ねぐら」(川内 博)の報告が載せられています。次号のNo.29(12月発行予定)にも、名古屋や大分の事例をアップします。興味ある方はメールにて事務局までお問合せください。

    ところで、ムクドリが“繁華な場所に大群でねぐらをとる”という行動は、1980年代から首都圏で見られ、今や全国化して、いずれの場所でも、住民も通行人も行政も“頭の痛い”状況で困っているのが実情です。「音や光で脅す」→「集まる樹木を剪定・ネットをかける」→「ムクドリの悲鳴声・嫌がる電子音を流す」→「鷹匠を呼んでタカで追払う」とさまざまなムクドリ対策が次々と講じられていますが、いずれも“その場から・一次的に追払う”ことができても、“しばらくするとまた戻ってくる・別の場所で被害が生じる”ということで、根本的な解決策はできない状態です。

  10月末、長野県の松本駅で、17時半ごろ、乗換時間を利用して東口を歩いてみました。ここは以前にも集団ねぐらを認めた場所で、今回も駅前広場やそこからの大通りの並木(カツラやクヌギ)に多数集まって、暗いなか大きな声で鳴き騒いでいました。【写真】観光案内所で状況を尋ねたところ、“対策の結果、一時はいなくなったが、また来た!”とのこと。ムクドリにとっては「良好なねぐら場所は死守したい!!」というのが願い。ムクドリとの共存法を考えるには人間の知恵ですが。なかなかの難問です。〔都市鳥研究会・事務局〕