2021年6月3日木曜日

和光市・イソヒヨドリの繁殖2例目・発見記

  当会の事務局のある埼玉県和光市は東京23区に隣接しているため、東京の“出ベソ”のような施設がいくつかあります。そのひとつが「東京メトロ」の車庫、また6年前には「東京北部郵便局」というものが、越戸川沿いの畑地につくられました。これは、ネット通販などの普及に伴って物量が多くなったため、ゆうパック事業の業務を効率化するための施設です。6階建て(見た目には4階建て)の巨大な建物で、大型のトラックが四六時中出入りしていて、2年前その屋上の縁で囀っているのを確認していました。その後、この場所は“要チェック地”として、荒川支流の越戸川、新河岸川の調査の際には囀りが聞こえないかと注意をしていました。しかし、その後はまったく出会えませんでした。

  

  5月20日の早朝、カワセミの営巣地を探しに越戸川で観察していると、“この鳥は何ですか?”と声をかけられました。スマホに映っているのは雄のイソヒヨドリ【写真1・トリミング拡大】。遊歩道の手すりに止まっていたとのこと。1週間後の5月28日早朝、イソヒヨドリの撮影者の星野さんに再び出会ったあと、その発見場所に行ったら、今度は雌が手すりに止まって採餌をしていました【写真2】。驚かせないように、慎重に追っていくと、ついに餌をくわえて東の方向に飛び去りました。その方向には東京北部郵便局が。餌をくちばしにした雌親は、警戒しながらもついに、3階の作業場の天井の鉄骨の上に入っていきました。持ってくる獲物はアオムシ・ムカデ・カナヘビなどさまざまです【写真3】。

  

 2年前に和光市駅南のイトーヨーカドーの駐車場で巣立ちビナを発見(本ブログ・2019年7月22日付け参照)して以来、和光市では2例目の繁殖記録となりました。その後のようすも含め、詳細は、当会広報誌『都市鳥ニュース・№30』(6月発行予定)に掲載します。『都市鳥ニュース』はPDFで、会員にメールで送られます。興味ある方は、当会HP「入会案内」をごらんください。〔都市鳥研究会・事務局・川内〕


写真1 越戸川畔で撮られたイソヒヨドリの雄・星野裕司氏撮影


写真2 同じ場所で雌も発見・川内撮影


写真3 営巣地の東京北部郵便局前の電柱にて・川内撮影