2012年8月29日水曜日

都市鳥ニュースNo.13が発行されました。

都市鳥研究会が年2回発行している「都市鳥ニュース」が発行されました。

都市鳥ニュースNo.13
目次

読み物
・札幌市内のビル街で繁殖するオオセグロカモメ(中村眞樹子)
・10年以上続く東北一の繁華街のハクセキレイの塒(深瀬徹)
・海水を飲むドバト(カワラバト)(越川重治)
・繁殖期に住宅地で暮らし始めたウグイス(柴田佳秀)
・世田谷の住宅地で繁殖(?)したエナガ(大庭健二)

ブログから
・カラスのクルミ割り・東京の場合
・東京都心でハシボソガラスが繁殖をはじめる
・オスのイソヒヨドリも発見
・イソヒヨドリの内陸ダムサイトのデータ
・宿題が出たツバメ取材
・ツバメの集中営巣はなぜ・高尾山清滝駅
・本年度の銀座・築地のツバメ繁殖状況
・スズメのアパート・新たな発見・代々木公園
・柏駅で消滅したイワツバメの巣が一部復活

記事紹介
・ツバメが消えゆく街(朝日新聞朝刊 2012年6月19日付)

図書紹介
『都会でできる自然観察・動物編』学びやぶっく                  

日本鳥学会2012年自由集会開催趣旨「都市鳥研究の現在とこれから」
日本鳥学会 2012年大会・自由集会資料 「街になぜタカが進出してきたのか」
                         

2012年8月26日日曜日

中央高速上り線談合坂サービスエリアにツバメのねぐら

 元会員の方から中央高速上り線談合坂サービスエリアに、かなり大規模なツバメのねぐらがあることを教えていただきました。その方の情報によると8月7日の午後6時から7時にかけて、多数のツバメ類(イワツバメも混ざっていたが多くはツバメ)が乱舞していたそうです。最終的には、駐車場のかなりの広い範囲にわたって街路樹にねぐらをとったとのこと。一本の枝に鈴なり状態だったそうです。
 じつは私もその時間の少し前まで同じ場所にいました。スズメのねぐら入りは確認しましたが、ツバメがあらわれる少し前にサービスエリアを出てしまったので気づかなかったことが悔やまれます。この談合坂のツバメねぐらは、調べてみると2007年にはすでに存在していたことがわかっています。最大で2万羽ほどだということです。多摩川のツバメ最新情報http://tamatsubame.txt-nifty.com/news/1_2/index.html
 高速道路のサービスエリアにはツバメの他にもスズメやムクドリなどがねぐらをとることがあります。いつもにぎやかなこの場所で眠ることに何かメリットがあり、鳥たちはやってくるのでしょうか?
(柴田佳秀)

乱舞するツバメ類(撮影:成末雅恵さん)

2012年8月8日水曜日

鳥の色シンポジウム「色・鳥どり」のご紹介

創立100周年を迎える日本鳥学会が、興味ある催しを開きます。色あでやかなポスターと「新進気鋭の鳥学者と世界でただ一人の“アートレラー”が送る 日本初!?『鳥の色』シンポジウム」・「鳥たちの多様な色彩の進化と芸術への浸透」というアピールから、いままでにない、日本の鳥学界の新しい風が感じられ、どんな内容なのか楽しみです。
どうして鳥は色とりどりなの・鳥はどうやって色をだしているの・鳥はどんな色を見ているの・・・など日ごろ疑問に思うことがいろいろ解決できるかも。また、「鳥たちの多様な色彩の進化と芸術への浸透」という興味ある新展開もあるようで、耳学問としても一聴の価値がありそうです。
交通も便利で、地下鉄南北線・東大前駅でおりて東大農学部の門を入ればすぐ[地図参照]。

日時:2012年8月25日(土)13時~16時30分
場所:東京大学農学部 弥生講堂一条ホール(入場無料・申込み不要)
主催:日本鳥学会 企画委員会(くわしくはこちら)





2012年7月23日月曜日

柏駅で消滅したイワツバメの巣が一部復活

2012年2月11日付け当ブログで千葉県柏市のダブルデッキ(正式にはペディストリアンデッキ)にあったイワツバメのコロニーが耐震工事のために消滅したという報告をしました。このとき、ほとんど巣を作れそうな場所がないので、今年は営巣しないのではという予想も書きました。
ところがたった2巣だけですが今年も営巣し、未確認ですが無事巣立ちもした模様です。おそらくイワツバメはもう戻ってこないと思いましたが、それでも営巣したところをみると、この場所がイワツバメの営巣場所としてとても良いところなのではと思われます。さて、来年はどうなるでしょうか。
(柴田佳秀)

2012年7月15日日曜日

スズメのアパート・新たな発見・代々木公園

当会会誌『アーバンバーズ』Vol.28(2011年発行)に、東京の代表的な都市型公園・千代田区の都立日比谷公園東屋での集中営巣について報告しましたが、同地では、巣自体がまったくなくなり、営巣しなくなりました。ところが、7月13日に、同じ東京を代表する公園のひとつ、渋谷区の都立代々木公園の木造の大型東屋(六角の休憩舎)の梁の交差部分を中心に営巣しているのを見つけました。とりあえず、下から見える巣は30巣で、そのうち5か所で出入りやヒナの声が聞こえてきました。〔写真〕
東屋自体が日比谷公園のものより大きく、巣の高さは4m~7m位の位置で、日比谷公園のように手が届くという場所ではありませんが、巣自体が丸見え・アパート状というのは同じです。東京地方では今まで事例が数少ない営巣タイプですが、各地の公園を調べてみると、類似が見つかる可能性が高いと思われます。他の地方ではいかがでしょうか。
(川内 博)





2012年7月10日火曜日

本年度の銀座・築地のツバメ繁殖状況

東京の銀座・築地では今年4月に、5か所でツバメの飛来を確認しました。そのうちの4か所で営巣しました。7月9日時点で繁殖に成功したのは2巣で11羽が巣立ちました。また、4巣が営巣中で、現在1巣で雛が生まれています。その中の2巣は2回目の営巣と思われます。
繁殖に成功した銀座のデパートの庇裏に営巣したツバメは、通勤途上の複数のご婦人や紳士に優しく見守られていました。私が雛を観察していると6羽いますよねと話しかけてきたり、昨日はカラスを親ツバメが追い払っていましたよと教えてくれたりと会話が弾みました。
もう1か所繁殖に成功した築地のビル管理人は、いつ巣立つのですか、どうしたら良いのですかと観察している私に尋ねてきたりしました。結局はツバメあり注意の表示のみ行っていました。また、2回営巣する場合がありますよと言っていたら、本当に2回目の営巣を始めていました。
繁殖に成功した2箇所のツバメともカラスを警戒しているようで、給餌でないのに戻って来て様子を見たり、近くのハシブトガラス追い払ったりしていました。築地では、繁殖に成功した巣より奥に新しい巣を造り2回目の抱卵をしています。
飛来はしたものの営巣しなかった1か所は、昨年は繁殖に成功していた場所なのですが。今年4月に行ってみると、古巣は撤去され、巣のあった梁のみが再塗装されていました。
調査をしていて、ツバメに対する人々の置かれている立場や思いの差が感じられました。〔石井秀夫〕

銀座デパート庇裏巣 2012年6月21日撮影

2012年6月29日金曜日

ツバメの集中営巣はなぜ・高尾山清滝駅

東京の高尾山は、都心から電車で1時間で行ける山として、都民に親しまれている名所です。最近は「ミシュランガイド」で三つ星観光地として紹介され、ますます訪問者が増えていますが、その多くが利用するケーブルカーやリフトの駅が清滝駅。この駅は、以前からツバメの巣が多い場所でしたが、6月27日に調べたところ完成した巣が17個あり、そのうち6か所で親鳥の出入りを確認しました。周辺の状況を簡単に調べたところでは、京王高尾山口駅に7巣ありましたが、土産物屋・飲食店などには巣を発見できませんでした。
都市鳥研究会のフィールドでも1か所集中しているところがあります。神田地区のハイヤー会社の大型車庫で、古い建物の中は薄暗くて洞窟のような環境です。単独型のツバメの巣が集中するのは、一帯に営巣適地がない場合ですが、清滝駅の場合はなぜでしょう。
ところで、近刊の『世田谷区内ツバメ繁殖数調査報告書(2009~2011年)』(財・世田谷トラストまちづくり 野鳥ボランティア)を読んでいたら、10年前と比べると集中営巣が大幅に増加している(3か所→15か所)という報告が目につきました。世田谷区は住宅地や商店街の多い地域で、比較的ツバメの巣が目立つところだけに、ちょっと気にかかるところです。(川内博)

2012年6月20日水曜日

ツバメが消えゆく街・朝日新聞で紹介されました

本会が1985(昭和60)年以来、5年ごとに実施している、東京駅を中心とした3km四方でのツバメの営巣状況調査が、6月19日の朝日新聞の〈ニュース圏外〉で紹介されました。

本HPを見て取材を申し込まれた山本亮介記者とともに、ツバメ営巣のメッカ「神田錦町」を歩きました。途中、中断久しいビルで、営巣を再発見したり、今春、北千住へ移転し空き家になった東京電機大学の玄関の巣には還ってきていないことなども確認しました。
バブル期前から始めたこの調査も30年を経過し、街のようすは一変し、ツバメの営巣箇所数は右肩下がりが続いています。当初44か所あったのが、最新の2010(平成22)年調査時には14か所に減り、神田地区が最後の砦となっています。(分布地図参照)

記事の中には、数が減っているのは東京だけでないことや、「駆け込み寺」となっているハイヤー会社の駐車場での運転手さんの対応なども触れられていて、わかりやすく現状が記されています。ツバメ減少傾向は北半球の各国で見られていること。この調査は、地球規模での環境変化の一端を記録する貴重な活動となっています。

2012年6月10日日曜日

オオタカが棲む東京・なぜ猛禽類が・研究者募集!

いま、東京23区という大都会の森の数か所で、オオタカAccipiter gentilis〔写真〕という典型的なタカが子育てをしています。東京でのオオタカの繁殖は、10年以上前から千代田区の皇居内での営巣が知られていますが、現在はほかの緑地でも見られています。また、同じハイタカ属のツミA.gularisも営巣していて、都市環境下でのタカ類の繁殖という、かつては考えられないような状況になっています。オオタカ・ツミの共通点は、鳥類を主食とする森林性の猛禽類ということで、繁殖期は、オオタカはハト~ムクドリ、ツミはスズメなどをよく捕っているようです。
「猛禽類の生息する環境は、自然度の高い地域」というのが生態学では常識。ならば東京都心部は「自然豊かな場所」といえるかとなると、Yes!とはいいきれないのが実情です。しかし、彼らは周年定着し、子育てもしている現実があり、その理由を説明するのに苦慮しているのが現状です。
西日本の都市で、ハヤブサがビルの屋上などで繁殖していることが知られ、また、東京でも同じハヤブサ科のチョウゲンボウが、鉄橋の穴などで営巣していて、「人工建造物利用」という範疇で、都市鳥としての説明がつきますが、ハイタカ属となると別の切り口が必要と思われます。
都市鳥と猛禽類は、かつては結びつかない関係と思われていましたが、同じような傾向は大阪でも見られているようで、都市鳥としての調査・研究を続けています。興味ある人は研究会へご入会下さい。

2012年5月29日火曜日

宿題が出たツバメ取材

日本野鳥の会が5月のバードウィークに呼びかけたキャンペーン「消えゆくツバメをまもろう」のマスコミ取材に協力して、本会のフィールドである東京駅周辺のツバメの状況を案内しています。その中のひとつで、ラジオ番組の取材で、日本橋小伝馬町にある営巣場所を訪れた際、5羽のツバメにスクランブルをされました。
ラジオのため、親が飛んできて餌を与えるときのヒナの声を録ろうとマイクを差し向けたところ、親鳥がキチッ・キチッと警戒声を出して旋回、そして数分後にはどこにいたのか、5羽が集まって周辺をスクランブル飛行。
この地域は、調査区域でもっとも巣が少ないところで、30年来の観察で3例しか記録がない環境です〔写真・スカイツリーもまじかに見える下町〕。ツバメにとって数分(5分前後)という時間で飛べる距離は、物理的には相当あるかもしれませんが、スクランブルで集まった個体が、日ごろコミュニケーションをとっている仲間としたら、あまり遠くないところにいたと推測されます。収録の方は警戒されたということで中止。
それにしても、短時間で5羽が集まったということは、この地域に未発見の営巣地がある可能性ありということになり、2015年の第7回調査年までに探すという宿題が出たこととなりました。

【放送予定日】NHKラジオ「ラジオあさいちばん」2012年6月2日(土)朝6時45分ごろからの『サタデートピックス』(川内 博)

2012年5月3日木曜日

イソヒヨドリの内陸ダムサイトでのデータ

国土交通省のダム環境データベースというのがあり、オンライン検索で調査結果が見られることを教わり、イソヒヨドリの結果を見てみました。そしてこのデータを元にして、地図上に落としてみました。
イソヒヨドリが記録されたダムサイト

平成10年から毎年、内陸のダム湖で記録されており、北海道をのぞく全国でイソヒヨドリが見られていることがわかりました。また、進出はほぼ同時多発的に起きていることもこのデータからうかがえます。(柴田佳秀)

2012年4月26日木曜日

オスのイソヒヨドリも発見

都市鳥ニュースNo.12 で「東京都心でタチバナモドキの実を採食していたイソヒヨドリ」を報告していただいた松丸さんから、報告の場所から300m離れたビルの上でさえずっているオスを観察したという情報をいただきました。
ニュースに掲載したイソヒヨドリはメスでしたので、この場所には雌雄のイソヒヨドリがいることになり、繁殖が期待されます。ついに東京都心にもイソヒヨドリが定着し始めたのでしょうか。(柴田佳秀)

2012年4月17日火曜日

東京都心でハシボソガラスが繁殖をはじめる

東京の都心部は、ハシブトガラスがほとんどでハシボソガラスを見ることはあまりありません。ましてや繁殖することは近年では聞いたことがありません。
ところが会員の松田道生さんによると、今年は巣鴨の近くでハシボソガラスが巣を作っているそうです。ハシボソガラスの世界にも変化が現れているのでしょうか。(柴田佳秀)
詳細は松田さんのブログをご覧ください。

松田さんのブログ Syrinx 「都心でハシボソガラスが巣作り」

2012年4月16日月曜日

都市鳥ニュースNo.12が発行されました。

都市鳥研究会が年2回発行している「都市鳥ニュース」が発行されました。今号から会員の投稿と当ブログで紹介した内容も掲載しております。

都市鳥ニュースNo.12 2012年3月
目次

読み物:東京都心でタチバナモドキの実を採食していたイソヒヨドリ(松丸一郎)
読み物:大阪の街のタカ(和田 岳)
特別寄稿:東日本震災の津波被災10 ヶ月後の宮城県・岩手県沿岸部の鳥類相概要(渡部良樹)

ブログから
甲府駅前・平和通りのカラスのねぐら・第一報              
電線にぶら下がるミヤマガラス 
千葉県柏市でハヤブサ?が捕食したウズラの羽毛を採集
樹脂製ハンガーを利用したハシブトガラス 
東京湾沿岸の緑地にエナガが進出・都市鳥化か?
松本でもカラスの塒で問題が表面                            
ハイタカに注意                                                       
柏駅東口のイワツバメのコロニーが消滅                        
「名城カラスに泣く」名古屋のカラス事情                      
八王子駅周辺のツバメの繁殖は               
足立区の野鳥モニター                 
図書紹介 ツバメのエンサイクロペディア『田んぼの生きものたちツバメ』

2012年4月2日月曜日

カラスのクルミ割り・東京の場合

カラスが車を利用してクルミの実を割らせるという話はよく知られていますが、クルミを堅い地面に落として割るという行為はもっと一般的で、全国的に見られる行動です。東京都内での観察例は今までまとまって報告されたことがありませんでしたが、このたび日本野鳥の会東京の機関誌『ユリカモメ』2012年3月号(№677)に、ある程度まとまった形で発表されました。〔地図参照〕
この件については、同会研究部のMLに観察事例が報告されると、いくつもの過去の事例が次々と出され、皆さんが日ごろから興味を持っていたことがよくわかったそうです。やはりカラスは「人気者」ですね。
報告のタイトルは「東京都内でのカラスのクルミ割り行動」、報告者は青梅自然誌研究グループの御手洗望さん。このたび同会の研究部HPにその記事がアップされましたので、ぜひご覧ください。(川内博)

なお、発表された地図には、その後次のような訂正がありますので、ご注意ください。
誤:△:ハシボソの貝落とし□:ハシボソの車によるクルミ轢き割らせ
正:□ハシボソの貝落とし△:ハシボソの車によるクルミ轢き割らせ
日本野鳥の会東京・研究部HP:http://homepage2.nifty.com/tokyo-birdstudy/