東京銀座の老舗デパート「銀座松屋」は“ツバメの定宿”として知られています。銀座で長期間営巣を続けているのはここだけです。
その東館(中央区銀座3丁目)では、昨年までツバメが利用していた蛍光灯がすべて取り外され、巣が撤去されました。
銀座のど真ん中で巣を作る足がかりがある建物はほとんどありません。そこでツバメの手助けをしようと、松屋デパートさんの協力を得て、人工の巣を取り付けることとなりました。今春、その成果が楽しみです。(金子凱彦)
東京銀座の老舗デパート「銀座松屋」は“ツバメの定宿”として知られています。銀座で長期間営巣を続けているのはここだけです。
その東館(中央区銀座3丁目)では、昨年までツバメが利用していた蛍光灯がすべて取り外され、巣が撤去されました。
銀座のど真ん中で巣を作る足がかりがある建物はほとんどありません。そこでツバメの手助けをしようと、松屋デパートさんの協力を得て、人工の巣を取り付けることとなりました。今春、その成果が楽しみです。(金子凱彦)
当会2021年度の会誌を発行しました。本来であれば昨年中の発行を予定していましたが、コロナ禍の中、大勢の会員や協力者の参加で12月に実施しました「第8回都心におけるカラスの集団塒の個体数調査(2021年)」の結果を報告するため、2月半ば過ぎの発行となりました。
東京都内や周辺からカラスの姿が減っているのは、日ごろ実感としてわかっていましたが、実際に調査をしてみると、思った以上の減少ぶりでした。その成果の一部は、すでに本ブログにアップしています。また、東京新聞や朝日新聞デジタルなどでも紹介されていますが、本号にはその調査の全容が18ページわたって詳細に記されています。
また、巻末に載せられている「東京区部の緑島におけるフクロウの観察」という報告は、他に事例のない内容ですので、フクロウに興味のある方は一読の価値があると思います。保護のためその場所は明示されていませんが、5年以上にわる東京23区のある緑地でのペアのフクロウの生態を追ったもので、写真が多用された14ページの力作です。
その他、ツバメ、オオタカ・ツミ、イソヒヨドリ、ガビチョウなど、当会ならではのラインナップで、東京を中心とした都市鳥の今の生態が報告されています。
研究会誌『URBAN BIRDS』は会員だけへの配布ですので、興味を持たれた方はぜひご入会下さい。年会費2,500円で、どなたでも入会できます。また、バックナンバーも会員には「貸出し」を行っています。詳しくはホームページをご覧ください。
URL:http://urbanbirds.eco.coocan.jp/ 〔都市鳥研究会・事務局〕
最新刊「通巻第79号」Vol.38 2021年12月
●巻頭言 (山部直喜)
2021年12月12日に実施した第8回都心におけるカラスの個体数調査(2021年)の確定数が決まりましたのでお知らせします。
都心3カ所の集団塒のカラスの羽数
自然教育園25羽、明治神宮1580羽、豊島ケ岡墓地1180羽、計2785羽
なお、2021年12月18日にこのブログに投稿した速報値(自然教育園24羽、明治神宮1576羽、計2780羽)は上記のように訂正します。
現在、減少要因の分析や今後の課題なども含めて報告書としてまとめているところです。詳細は2022年発行予定の会誌『URBAN BIRDS』に掲載しますのでご覧ください。数値の引用等を行う場合は事務局か調査責任者にご連絡ください。あるいは『URBAN BIRDS』発行後にお願いします。(文責 唐沢孝一・越川重治・金子凱彦)
11月のある日、自転車で自宅近くの大分川(大分県大分市)で探鳥中、堤防の下の河川敷の舗装された人道・自転車道で、ハクセキレイの雌が2羽、地面で採餌していました。
そこに1羽の雄が来て3羽で、やや距離を保ちながら採餌していました。そこにもう1羽雄が来て様子が急変しました。
雄同士で取っ組み合いとなり、空中と地上で激しい争いとなりました。【写真】 互いに力が拮抗していたのか、なかなか勝負は決まらず、その間何度か人や自転車が通るたび、両者はその場を離れ、再度戦いが始まるといった具合でした。雌は2羽ともその場を離れ、私の視野からは消えていました。
結局、この戦いは顔が黄色く背中の色が薄い若い個体が勝者となりました。その後その若い雄と雌が河川敷のフェンスに仲良く止まっているのを見かけました。(鈴木達雄)
年2回発行しています都市鳥研究会の広報誌『都市鳥ニュース No.31』を発行します。
今回は、前号に引き続いて「特集・首都圏のイソヒヨドリの今・2」として、埼玉県全域と東京都全域および区部(東京23区)【図】の状況を地図化して掲載します。とともに、それらの地域の「繁殖状況」を中心に紹介してあります。いずれの地区もまだ調査が十分でない感がありますが、相当な範囲に生息分布は広がっていることがわかります。
そこで、今後の調査の力点を「営巣・繁殖」に置きたいと思っています。その参考となるものを誌面のトップで紹介しました。「奈良県吉野町におけるイソヒヨドリの繁殖観察日記」というタイトルで2019年の観察。繁殖生態の興味ある写真が多数掲載されています。とくにほとんど見ることができない抱卵中の姿や巣内ヒナのようすなどを知ることができます。また、同じ場所で複数回繁殖する際の状況など、さらにそれらが日記となって記されていますのでその経過を知ることもでき参考になります。〔都市鳥研究会・事務局〕
2021年12月12日に実施した第8回都心におけるカラスの個体数調査(2021年)の速報値をお知らせします。
都心3カ所の集団塒のカラスの羽数
自然教育園24羽、明治神宮1576羽、豊島ケ岡墓地1180羽、計2780羽
〇6年前の2015年の合計4816羽に比べ2036羽の減少。減少率は42.3%でした。
〇ピーク時(2000年)の18658羽に比べ85%の減少となりました。
〇特に自然教育園での減少が著しく、2015年の848羽から24羽へと激減。減少率は96.6%でした。
ただし、上記の数値は12月16日現在の暫定的な速報値です。現在、減少要因の分析や今後の課題なども含めて報告書としてまとめているところです。詳細は2022年発行予定の会誌『URBAN BIRDS』に掲載しますのでご覧ください。(文責 唐沢孝一・越川重治・金子凱彦)
折からのコロナ禍のなか、その実施を延期していた「第8回 都心におけるカラスの集団塒の個体数調査」を、1年遅れで、12日(日)の午後~夕方にかけて、東京都内3か所で予定通りに実施いたしました。本調査は、都市鳥研究会のメイン研究のひとつで、都内に増えてきていたカラス(おもにハシブトガラス)の個体数とその変化を知るために、明治神宮(渋谷区)・自然教育園(港区)・豊島ヶ岡墓地(文京区)の3か所で塒(ねぐら)に集まるカラスの数を調べているもので、1985年12月の第1回以来、5年ごとに実施し、今回は8回目で35年間のロング調査となっています。
調査員は全員、交通費を含めてボランティアでの活動。その一つの豊島ヶ岡墓地では、隣接する護国寺前に集合し、調査個所10地点・それぞれに調査員が配置され、午後1時過ぎ~5時までの約4時間、分担の方向を見続けて、カラスの出入りを観察しました。【写真・調査説明を聞く調査員たち】 10地点での合計は速報値で1,180羽。前回2015年は1,607羽でしたので、26.6%減という結果でした。
幸いなことに、当日は好天無風で、冬とは思えない暖かさでした。調査にご協力いただきました54名の皆様にお礼を申し上げます。
東京都内のカラスは2000年をピークに年々減少していますが、今回の3か所全体の結果は、当会会誌の『URBAN BIRDS Vol.38』で発表予定です。その際には、詳細をこのブログでも紹介します。〔都市鳥研究会・事務局〕
2015年8月14日から、ほぼ毎年のように本ブログにアップしている同名のタイトルも第7報となりました。今秋の9月~11月の状況を報告します。基本的にはこの6年間と“変わらず”ということになりますが、新しい動きも見られました。
ひとつは、「新ねぐら地発見」で、今まで私の調査範囲では記録がなかった上福岡駅(埼玉県ふじみ野市)の駅前にムクドリのねぐらがあるとの情報で、10月28日に現地を訪れ、約1000羽のねぐら入りを確認しました【写真】。上福岡駅は急行電車が通過する駅で、本ブログによく登場している急行停車駅の「ふじみ野駅」の隣りです。
そのふじみ野駅はここのところのさまざまな対策が功を奏したのか、駅前から姿を消し、昨年は約1㎞離れた川越街道との交差点付近に移動していました〔2020年8月31日付をご覧ください〕。今秋の3回の調査では、9月27日に17時12分時点ではムクドリはいませんでしたが、川越街道の交差点まで確認にいき、17時50分に駅前に戻ってみると、駅前広場の5本のケヤキで数100羽の鳴き騒ぐ声を確認しました。しかし、その後、2回同地を訪れた時は、ムクドリの声はなく、駅前から続く通りに点々と設置された10台の「バードプロテクター」が次々と鳴り響いていただけでした。現時点では確証はありませんが、上福岡駅前に飛来したムクドリは、“追い立てると隣の駅に移る”というこの鳥の習性から、ふじみ野駅から移動したのではと考えられます。
ちなみに、11月28日に上福岡駅での再調査をしたところ、約500羽のねぐら入りを確認しました。その後電車で約6分のふじみ野駅に立ち寄りましたが、やはりムクドリの気配はありませんでした。
もう一つの変化は川越駅からムクドリのねぐらが消えたことです。川越駅には9月21日と11月3日に訪れましたが、東口・西口とも糞跡もなくムクドリのねぐらの“気配なし”といったところです。この地でねぐらが確認できなかったのは昨秋も同じで、ねぐら地が西武新宿線の本川越駅に移ったのか、現在経過調査しているところです。[川内 博・桂子]
「調査にご協力いただいた皆様へ」ということで一冊の報告書が10月29日に郵送されてきました【図1】。中身は、わが国で繁殖している鳥たちのそれぞれの繁殖状況が、1970年代・1990年代・2010年代の3つの日本地図に記されています。例えば、当会が調査・研究しているイソヒヨドリの図版を見れば、かつては“海岸線に固着していた鳥”が、いつごろから内陸部にも進出したのか、そして今はどのような繁殖分布になっているかが一目でわかるようになっています【図2】。
報告書には、同じような図版が種ごとに、278種余掲載されています。全国を対象としたこのような繁殖地図は、世界的に見てもトップクラスのレベルです。
報告書自体は協力者や団体だけに配布される非売品ですが、多くの方が利用できるようにPDF版が公開されているとのことです。詳しくは下記にアクセスください。
https://www.bird-atlas.jp/pub.html
この事業を推進してきたNPO法人・バードリサーチは、この冬も「越冬分布調査」を継続するとのことで、その協力を呼びかけています。繁殖分布とともに、越冬期の状況も図で示せるようになれば、さらにさまざまな形での活用が広がると思います。 また、これらの調査が“ボランティア”で行われていることも意義が高いと思います。“野鳥の識別ができる”ということは一つの特技です。一人ひとりの観察や調査は小さいものですが、一つにまとまれば、日本の自然環境の「今」を記録することができます。ぜひこの活動にも一助をお願いします。(川内博)
https://www.bird-atlas.jp/winter.html
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| (図1) |
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| (図2) |
前回のブログでも紹介しましたが、10月10日にNHK総合チャンネルで放送された自然番組「ダーウィンが来た」では「街に大進出!青い鳥の謎」と題して、イソヒヨドリが取り上げられました。
イソヒヨドリは、今まさに現在進行形で従来の生息地の海岸だけでなく、内陸の市街地でも姿を見るようになっている鳥です。その詳しい生態をテレビの自然番組で取り上げられるのは、おそらく初めてのこと。どんな内容になっているのか、放送が始まるまでワクワクして待ちました。
舞台は東京八王子。内陸イソヒヨドリがかなり早い段階で確認された場所です。イソヒヨドリの取材ならば、やはりここを選ぶでしょうね。
それにしても、八王子には本当にたくさんのイソヒヨドリがいるのでビックリしました。当然、そのことは知っていたのですが、それにしてもここ数年の増加ぶりがここまでとは思いませんでした。営巣箇所が50もあるとは。これは八王子・日野カワセミの会の調査の賜です。
映像は、繁殖の様子がよくわかり興味深い物でした。とくに巣立ちビナがハシブトガラスに襲われるシーンは、都市鳥の宿命をよく表しており、残酷なシーンですがカットしなかったのは拍手を送りたいです。また、イソヒヨドリはいるのがわかっても、なかなか巣が見つからない鳥なので、撮影はそうとう苦労されたと思います。さらにこのコロナ禍ですからなおさらでしょう。また、都市での鳥の撮影は、取材許可を取るのが本当に大変なんです。私は元ディレクターで、過去にいくつも都市の鳥を取材し番組を制作した経験があるので、その苦労は他人事ではありません。とくに近年は厳しさを増していると言いますから。
番組の核心部である、「何故、海から街へ進出したのか」その答えの一つとして、崖はイソヒヨドリの重要なソングポストであり、高いビルはそれと同じ機能を持っているという着眼点は納得いくものでした。じつは私も同じ事を感じていて、イソヒヨドリは縄張りを強く守る習性があり、見晴らしの良いソングポストはライバルの侵入を阻止するのには欠かせないと思っていたからです。
しかし、その他の説明では、納得いかない内容がいくつかありました。
一つは、イソヒヨドリの囀りは街の騒音の中でもよく通り、遠くまで聞こえやすい音域の特徴があること。それはもともとの繁殖地が海岸で波音がうるさい環境で育まれてきたものという説明がありました。しかし、イソヒヨドリはユーラシア大陸南部に広く分布する鳥で、海岸で繁殖しているのは日本と韓国だけ。ヨーロッパなどでは波音がしない山の中でも繁殖しており、そこのイソヒヨドリも同じような声で囀ることがわかっています。したがって、そもそもそのような音域の囀り持った鳥であって、波音がという推論は当たらないと思うのです。
世界のイソヒヨドリの声はこちらで聞くことができます。
もう一つは、内陸進出をはじめたきっかけが、海岸部の開発でそれによって従来の生息地である崖がなくなったからという説。しかし、海岸部に行ってみればわかりますが、今でも普通にイソヒヨドリは生息しており、少なくなったというデータも私が知る限りではありません。また、崖がなくなったとしても人工物が代用されるため、イソヒヨドリがいなくなるとは到底思えないのです。
都市鳥の進出理由ではよくある説ですが、私の考えではこのような消極的な理由の鳥は見当たらず、都市進出はもっと積極的なメリットを見いだして行われているのではないかと思うのです。
今、まさにそのことを私を含めて当会は研究を進めているのですが、まだ、そのはっきりとした答えはわかっていません。でも、おぼろげながらそのストーリーは浮かびつつある実感は持っていますので、それを証明するために今後も調査を続けていこうと思っています。(柴田佳秀)
9月10日~13日にズームで開かれた「日本鳥学会2021年大会」では、当会からは埼玉県和光市内での今年の営巣のようす【写真・川内 博氏撮影】や、東京都・埼玉県でのこれまでの生息状況とともに、関東地方でもっとも生息・繁殖密度の高い八王子・日野市域での営巣状況を発表しました。
その八王子・日野市域でのイソヒヨドリの生態が、NHK総合の人気番組『ダーウィンが来た』で10月10日放送されるとのことです。同地での撮影は2019年から始まりましたが、昨年はコロナ禍で中断されたとか。
市街地のイソヒヨドリの生態がテレビ番組として紹介されることは初めてと思われます。タイトルは「ダーウィンが来た! ~街に大進出 青い鳥の謎~」とのことです。ご感想をお寄せください。
それに先立ち、9月26日の『ダーウィンが来た』の「ミニコーナー」では、東京・麹町でのイソヒヨドリのようすが紹介されるとのことです。麹町は東京でも一番の中心街のひとつ。都心部での生態はまだわかっていませんので、一つの情報としてとらえています〔都市鳥研究会・事務局〕
東京23区では渡来が途絶えていた夏鳥・アオバズクが、2年連続で繁殖したことは、“夏鳥復活か”とのやや希望もまじえて前号で紹介しましたが、先月末の8月31日、同じく激減しているカワセミの仲間の夏鳥・アカショウビン〔赤翡翠〕を、埼玉県和光市新倉6丁目で発見しました。ただし、残念なことに自動車事故死と思われる落鳥の形で【写真1・2】。 発見場所は通称「水道道路」と呼ばれる車道の歩道で、東京外環自動車道と立体交差するあたりでした。死後数日たっているようで、大きなハエが死体に止まり、下腹部には多数の蛆がわいていました。胸に黒っぽい横斑があることや全体的な色あいから今年生まれの若鳥で、渡りの途中で絶命したと思われます。合掌。
ところで、昨年の5月、人流の多い「JR新宿駅東口」に、サギの仲間の希少種ミゾゴイ〔溝五位〕が現れ、ネットやマスコミで紹介されていましたが、この鳥も激減いちじるしい夏鳥です。しかし、21世紀に入り、東京23区の足立区の舎人公園や世田谷区の蘆花公園、江東区の公園などで観察されることがあり、私もフィールドとしている港区の自然教育園で2017年4月に記録し、『自然教育園報告・第49号』に報告しました。ミゾゴイは「里の鳥」で、比較的身近な場所でも繁殖しているようですが、羽色・行動・鳴声などが地味で目立たないため、その生息状況はよくわかっていない鳥のひとつです。
一方、アカショウビンは印象的な大きな声で鳴き、姿も派手な赤色で目立つため、生息していれば必ず記録される鳥です。東京では山地部の奥多摩で少数繁殖しているようですが詳細は不明です。かつての名所・高尾山(八王子市)では、1981年を最後に繁殖期の記録が途絶えます。しかし2015・2016年の繁殖期に長期間観察されました。その年に繁殖したか否かは不明ですが、今後吉報を期待したいところです。
アカショウビンもミゾゴイも“としちょう”とは無関係な種類の鳥と思われますが、本来の生息地に住宅や道路が迫り、環境が悪化するという都市化が激減の一端であることは間違いないことです。その復活はこれからも注視していきたいと思います。 〔川内 博〕
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| 写真1 |
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| 写真2 |
ここのところ、東京都内の市街地や郊外の緑地で、キビタキやサンコウチョウなどの夏鳥の声が聞かれるようになってきました。まだ手放しで喜べるような状況ではありませんが、“夏鳥復活”傾向が見られています。そんななかアオバズクがここ2年連続して、東京23区内で繁殖が記録されました。
アオバズク[青葉木菟]は、フクロウの仲間の夏鳥で、樹洞で営巣し、大型のガや甲虫などを主食とする猛禽類です。東京ではかつて池袋に近い、鬼子母神の並木がこの鳥の名所で、1931(昭和6)年~1972(昭和47)年の約40年、継続的な観察記録が残されていましたが、その後東京23区での営巣記録は急速に減って、1990年代には4か所程度、2000年代に入ると確実な繁殖記録は1例だけとなってしまいました。2004年からはその場所も宅地に代わり消滅し、ここ15年くらいは23区内での営巣記録は途絶えていました。
そんな中、昨年・今年と住宅街の緑地で繁殖が見られています。写真は今年のもので、巣立ちビナが2羽確認できました【写真1】。
アオバズクの激減は東京23区だけでなく全国で見られ、その原因は餌となる大型の昆虫(カブトムシやクワガタ、ガなど)の減少・巣穴となる樹洞の減少・越冬地の環境悪化などが挙げられています。いろいろ検討してみると、どうやらそれらが合わさっての根の深い問題のようです。
コロナ禍のなか、運動もかねて近場の公園を暗くなってから散歩していると、テニスコートやサッカー場では大勢の人がまだプレーを楽しんでいました。競技場の周囲には大型の照明とともに誘蛾灯が光っていました【写真2】。その明かりの周りには虫たちが飛び交い、誘蛾灯に感電したバシッ・バシッという音が聞こえていました。都会では明かりに虫が集まらないことが多く、久しぶりに見る光景でした。アオバズクの食べ物が少しは増えたのか?都市環境下での調査の楽しみがひとつ増えました。(川内 博)
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写真1 母鳥と2羽の巣立ちビナ |
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写真2 虫たちが集まる明かり |
街なかの鳥「ドバト」にどんなイメージをお持ちでしょうか。かつては“かわいい・愛すべき隣人・平和の象徴”とプラスイメージだったこの鳥も、近年は“気持ち悪い・糞が汚い・病原菌を媒介するのでは”などのマイナスイメージが強くなり、「ハト公害」として嫌われることが多くなりました。
実際、東京のお寺や神社の境内、駅前の広場、街なかの小公園などから給餌する人は激減しています。かつては2000羽を数えた浅草・浅草寺の境内では、今は50羽程度しか見かけません。また、最近は、渋谷や池袋などの駅前や公園でも、20羽もいれば“いた!”と思うほどの状況です。逆に目立ちだしたのが、公園の林の下や道端の雑草の間などで「採餌」をするドバトたちです。
公園の林床や川の土手などで餌をついばむ姿は、“野生生物”です。大きな群れでいることは少なく、数羽~10羽程度で、キジバトと混じっていることもよくあります。
ここ数年来の夏に目につくのは、道路ののり面や土手などで、大規模な草刈り後に、群れで採餌している姿です【写真】。
東京の市街地では、今世紀に入って、人による給餌が減っているうえに、ドバトを主食とするオオタカが増えています。かつて街を“天国”としていたドバトたちは、“野鳥”として生きていくのでしょうか。〔都市鳥研究会・川内 博〕
最近オリンピックがらみで何かと話題に登場する東京・渋谷の代々木公園で、この6月にカラスに関わる2つの行動を見かけました。東京都内からはカラスの数は減っていますが、代々木公園は今も都内有数の“カラス天国”です。我が物顔に飛びまわっているのはハシブトガラスですが、以前はごく少数だったハシボソガラスも目立つようになってきました。
今回の主役はハシブトガラスで、1つは「なに?・これ!」というカラスのしぐさです【写真1】。この姿をみてまずイメージしたのは、写真や映像でみたことのあるアフリカのクロコサギ Egretta ardesiaca の特異の行動と、実際見たことのある「蟻浴」でした。「蟻浴」とは明らかに動きが違い、また、羽・周辺にアリの存在はありませんでした。
そこで、日ごろ野外で鳥の観察をしている知人多数に「こんなカラスは見たことありますか?」と発信したところ、10人の方から返信があり、いずれも「見たことがない」ということでした、「蟻浴・日光浴ではないか」・「クロコサギのそれを想起する」ということが多数で、この行為自体はあまり見られていないことがわかりました。
1回だけの観察ですので、この個体特有の「くせ」ではないかと再調査をしていたら、「なんで!?」という行動を見かけました【写真2】。“モグラの土盛りの中からコンクリートのかけらを掘り出し、咥えて別の場所に運び、上から落ち葉で完全に隠す”という行動で、コンクリート片はカラスに比べて大きく・重そうで、何のために?という疑問を持ちました。北海道でカラスを研究している会員からは「遊び」ではという示唆がありました。可能性は大だと思いますが、その動作は手慣れてスムーズなものでした。
2つの行動について、同じような観察をされた方・なんらかの「答え」をお持ちの方・興味をお持ちの方は、都市鳥研究会あてにご連絡ください。(川内 博)
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